営業戦略の立て方とは?立案ステップと成功ポイント

営業戦略は企業の目標達成に欠かせないものです。しかし、営業戦略という言葉は知っていても「実は本質が理解できていない」「営業戦略の立て方が分からない」というリーダーやマネージャーは意外に多いのではないでしょうか。
今回は、営業戦略の立案に悩む方に向けて「営業戦略とは何か」「営業戦略の立案方法」「営業戦略を成功させるには?」について解説します。ぜひご一読ください。

営業戦略とは?立案方法から戦略成功の秘訣まで

営業戦略とは

まずは「そもそも営業戦略とは何か」を正しく理解しなければいけません。
営業戦略とは、簡単に言うと営業目標を達成するための計画です。一般的に、営業目標は数値化されていることが多く、売上高や市場シェア率、成約件数や伸び率などが挙げられます。例えば、売上アップという営業目標を達成するために「シニア層を新たなターゲットにする」「オンライン購入を増やすためECサイトを改修する」というような計画を立てる、これが営業戦略の立案です。

なぜ営業戦略が必要なのか

目標を達成するための手段は1つではありません。そして、人によってどの手段を選ぶかは異なります。売上アップという目標に向かって、ある人は商品に付加価値を付けて粗利を上げるかもしれないし、ある人は粗利を下げて薄利多売を狙うかもしれません。目標があっても営業戦略(計画)がなければ、各個人がバラバラに行動してしまうのです。これでは、統一性がなく最善の結果は望めません。
より良い成果を上げるにはチームの方向性を決めることが重要。そのために営業戦略が必要なのです。

営業戦略と営業戦術

ここで、混同されがちな営業戦略と営業戦術の違いを確認しておきましょう。
営業戦術とは、営業戦略を実行するための手段のことです。地図に例えると、目的地が営業戦略(計画)、目的地までのルートが営業戦術(手段)といったところでしょうか。
営業戦術は営業戦略よりも具体的でなければいけません。企業ごとに違いはありますが、多くの場合「今月中に既存顧客50社を訪問して課題をヒアリングする」というように、いつ・誰に・どうやって・何をするのかが細かく設定されます。

営業戦略の立て方

それでは、営業戦略の立案方法を具体的に解説していきましょう。

現状の分析

営業戦略の立案に向けて最初にすべきことは現状分析です。SWOT分析などのフレームワークを使い、社会情勢や市場の動向、自社の現状や強み・特徴、営業課題などを洗い出していきます。

外部環境分析

外部環境は営業戦略の立案に大きく影響します。まず、国際情勢や政治経済、金融情勢などを踏まえながら、業界や市場の動向、競合他社やターゲット層の現状などを分析しましょう。また、現状だけではなく今後の動静についても予測しておくことが大切です。外部環境を無視した営業戦略は役に立ちません。自社や業界が置かれた状況を客観的に分析することができれば、自ずと進むべき方向が見えてきます。
なお、外部環境の分析にはフレームワークを活用しましょう。特に、Strength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)の頭文字から名前がついたSWOT分析は、自社の状況や外部環境の整理・分析に役立ちます。

自社の現状把握

外部環境が理解できたら、次は自社の現状把握です。市場のなかで自社がどのような立ち位置にいるのかを分析し、営業活動の実績を把握します。
営業活動については組織・個人を問わず確認します。顧客や商品、客単価、チャネル・ターゲット層ごとの売上、成約率や契約数の伸び率、営業活動の傾向やプロセス、個人別の訪問数や成約数など、ありとあらゆる情報をもれなく拾い上げていきましょう。冷静で客観的な視点を持って、自社の現状を見つめ直すことが必要です。

営業課題の発見

自社の現状が把握できたら、次は営業活動における課題や問題点を探っていきます。ここまでの過程をたどれば、課題や問題点を明確化することは決して難しくありません。
社会情勢や市場動向などで変化するターゲット層に合わせた営業活動ができているのか、限られた経営資源(人・モノ・金・情報・時間)を有効に活用できているか、さらに効率化できる業務はあるかなど、多角的な視点が必要です。また、データだけに頼るのではなく、個人へのヒアリングも行いましょう。現場の生の声を拾い集めることで、新たに見えてくるものがあります。

コアコンピタンスの把握

外部環境、自社の現状、営業課題のほかに、営業戦略の立案に必要な情報は「コアコンピタンス」です。コアコンピタンスは「他社にはない自社だけが持つ強み」のこと。コアコンピタンスがあれば、他社に圧倒的な差をつけることができ、営業戦略を立てるうえで重要な要素となります。
必要があれば他部署にもヒアリングし、自社のコアコンピタンスが何かを考え抜いてください。もし「これといった強みがない」という結論に達した場合は、今後の課題として、コアコンピタンスを新たに作りだすことを検討しましょう。

目標の設定

これまでに集めた情報やデータ、分析結果を踏まえたうえでまず目標を設定します。
目標設定のポイントは2つ。1つは「20XX年9月までに市場シェア率50%を達成する」など具体的な期間と数値を盛り込むことです。目標は具体的であればあるほど成果が出やすくなります。もう1つは実現可能な目標を設定すること。無理な目標を設定すれば現場のモチベーションが下がり、望む結果が出るどころか現状より後退してしまうこともあります。全員が意欲と望みを持って取り組める、具体的な目標を設定してください。
なお、目標設定の際には、SWOT分析、クロス分析、3C分析、PPM分析、5F分析などの分析手法を活用するとよいでしょう。ここで挙げた以外にもさまざまな手法があります。これらを駆使して、自社が抱える営業課題を解決できる営業戦略を考えましょう。

営業戦術の作成

目標=営業戦略が設定できたら、実際の行動=営業戦術に落とし込みます。営業戦略よりもさらに具体的に「誰が、いつまでに、どうやって、何をするのか」まで細かく設定することが大切です。
手段としては、飛び込み営業やテレアポなどの営業活動のほか、印刷物の配布、展示会やセミナーの開催、WEBやメールなどIT技術の活用、FAXなどが考えられます。さらに、直接の営業活動ではなくとも、目標達成に必要なノウハウを共有する勉強会を開くなども戦術として考えられるでしょう。
また、戦術は必ずしも1つとは限りません。例えば「売上を50億円増やす」という目標を設定した場合、既存顧客を相手にする場合と新規顧客を開拓する場合では手段が異なります。相手や状況に応じた戦術を立てることが大切です。

営業戦略を成功させる上でのポイント

これまで営業戦略の立案方法について説明してきましたが、ここでは、営業戦略を成功させるための3つのポイントを挙げていきます。

戦略はなるべくシンプルなものに

「営業戦略は全員が覚えやすいシンプルなものにする」これが最初のポイントです。考えなければ理解できないような営業戦略では誤解やブレが生じ、実効性にも疑問符がつきます。長々とした文章や分かりにくい文章は避け、抽象的な表現ではなく数値目標を盛り込み、内容がストレートに伝わるようにまとめましょう。
営業戦略は全員が実践してこそ意味があります。考えさせるのではなくシンプルに目標を伝える、それが効果的な営業戦略を立てるコツです。

KPIを細かく設定した上で定期的な進捗確認

次のポイントは、定期的に進捗を確認することです。営業戦略は立案してそれで終わりではなく、継続的にメンテナンスが必要です。KPIを設定して進捗状況を確認し、必要があれば軌道修正をしなければいけません。
「KPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)」は、目標の達成度を数値化するもので、訪問件数や受注件数、リピート率、市場シェア率などさまざまな指標があります。営業戦略に沿った指標を設定し、目標達成に向けて正しい方向に進んでいるか、結果が出ているかを定期的にチェックしてください。

定期的な見直しと改善

最後のポイントは、営業戦略を定期的に見直すことです。
KPIを設定して進捗確認を行うとともに、Plan(計画)・ Do(実行)・ Check(検証)・ Action(改善)のPDCAサイクルを使用して効果を検証し、目標との乖離を早期に把握しましょう。そして、目標の達成が難しい、もしくは望む成果が得られていないことが明らかであれば、必要に応じて営業戦略の見直しと改善を行います。
重要なことは、PDCAサイクルを短く細かく回すことです。こまめに効果を検証することで問題を早期発見できるだけではなく、成果を実感することもでき、モチベーションアップにつながります。

まとめ

営業戦略の本質、そして立案方法についてお分かりいただけたでしょうか。
営業戦略は企業の目標を達成するために欠かせないもので、営業戦略なくして企業の成長はないと言っても過言ではありません。だからこそ、リーダーやマネージャーは、しっかりとしたビジョンを持って営業戦略を立てることが求められます。
本記事を参考に、入念な情報収集や分析を行い、成果の上がる営業戦略の立案にぜひ挑戦してください。

この記事の情報は公開時点のものです。

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