導入の背景・課題

まず初めに、貴社の事業内容と小口様のお仕事についてお聞かせいただけますか

弊社は2015年に大手PR会社からスピンオフして設立した会社で、動画×テクノロジーを軸に、企業のマーケティング活動をサポートすることをメイン事業としています。もう少し詳しくお話をすると、お客様が自社のサービスや商品の認知を世の中に広めたいという課題に対して、ターゲット層に合わせた動画の企画提案から制作、さらには自社のプラットフォームを活用した配信までを一気通貫で行っております。企画提案から配信までをワンストップで請け負えるのは、業界でも数が少ない、唯一無二のサービスであると自負しております。

主なお客様は、TVCMなどをやられているようなナショナルクライアントと呼ばれる大手の企業様なのですが、業種・業界問わず幅広いお客様に採用いただいておりまして、例えば、寺院や団体などの活動を告知するお手伝いなども行なっております。また、昨年の1月からは動画で営業活動のDX化を支援する「Sales Video Analytics」という新サービスもスタートいたしました。今後も、動画×テクノロジーの強みを活かしたサービスを展開していきたいと思います。

そして、私自身の仕事ですが、採用から人材開発、また制度設計や一部労務管理など人事全般の業務を担当しております。営業サプリについては導入時から関わっており、現在はメイン担当として運用を任されています。

営業サプリ導入時から関わっていただいているということですが、導入前には研修など教育施策を実施されていましたか。

当時は、採用のメインが中途採用だったため、会社として体系的な教育は実施していませんでした。営業もマネジメントも、個々人の能力に依存している状況でした。

営業サプリの導入をご検討されていたときに感じられていた課題などお聞かせいただけますか。

まず、営業ですが、組織としての営業力を上げていかないといけないという課題を感じていました。中途採用者が多く個人の能力に依存していたことで、ノウハウが属人化してしまい、担当者が変わると業績に影響が出るといったこともありました。また、「NewsTVとしての営業」を体系立てて学べるものがないので、若手のメンバーが相談をしても、教える人によって内容にも教え方にもバラツキが生じていました。そのような状況を見て、土台となる基礎をしっかり学ばないと積み上げたスキルもいいものにならないことを感じていたのですが、社内にはそれを教えられる人もいないし、教材のようなものもありません。そこで、営業の基礎を学び、土台となる「型」をつくる部分は外部の力を頼った方がよいと考えました。

また、マネジメントですが、これも営業と同じなのですが、土台づくりが必要だと考えていました。個人の能力に依存し、バラツキのある状態のままでは何をやったとしても、結局、組織内の意思疎通がうまくできないのではないかと思いました。中途採用で弊社に入社した方達は、それまでの経験上、いろいろな会社の文化ややり方を持っています。そのため、良くも悪くも「NewsTVとしてのやり方」というものがありませんでした。でも、ミドル層の人たちが今後の会社を担っていく上で、「NewsTVとしてのやり方」をつくることやマネジメントスキルを平準化することは重要な課題だと感じていました。

営業サプリご導入の決め手

営業サプリ導入の決め手になったことを教えていただけますでしょうか。

導入の決め手は、元リクルートの方がつくる講座内容と実績あるコーチ陣との掛け合わせから感じられた信頼感ですね。
講座内容ですが、元リクルートの方が中心となって作られた研修ということもあって、リクルートのノウハウとそこにプラスして多くの先人の英知が詰め込まれた内容になっており、ここには学べるものがあると感じました。
また、指導してくださるコーチとインタラクティブなコミュニケーションを取れるといった点とそのコーチ陣の実績やバックグラウンドにも魅力を感じました。

導入いただいて今年で3年目。ベーシックコースに始まり、部下育成スキルアップコース、そして営業マネジメントコースへと多くのコースをご利用いただけていますが、その理由をお聞かせいただけますか。

受講したメンバーに、成果が出ている点が1番大きな理由です。
例えば、ベーシックコースを受講した新卒入社の若手メンバー達にハイパフォーマーが多くなってきているのですが、これは一重に営業サプリの成果ではないかなと思っています。また、部下育成スキルアップコースも、受講したマネジメント層に基本的なマネジメントの考え方が身についたことで、コミュニケーションの質が変わったと感じています。

導入後の効果

では、導入いただいたコースについて順番にお話を伺いたいと思います。まず、ベーシックコースについて、受講対象者はどのような方ですか。

担当のお客様を持つタイミングを迎えた新卒2年目のメンバーを対象に行っています。これは、自分が担当するお客様をテーマにした実践的な研修の方が身につきやすいのではないかという仮説に基づいています。正直、新卒2年目になって目標を持ち、仕事の時間を未だうまくコントロールできない状況で、週に一度はサプリをやってねと言われ、コーチからフィードバックをもらうというのは、結構大変だろうなとは思いますが、真面目に取り組んだメンバーほど成果は出ています。また、中途採用のメンバーについても受講を希望した人に参加してもらっています。

ベーシックコースを実施した効果を具体的に教えていただけますか？

「このシーンではどうするべきか」という営業の「型」を学べたことで、受講メンバーは自分たちの土台をつくり、そこに経験や知識を積み重ねながら成果に繋げています。先ほども申し上げましたが、新卒の若手メンバーに、ハイパフォーマーが多くなってきています。研修後に、自分の目標値に対して150％を超えたり、高いときには200%を超えるメンバーがいます。

また、受講したメンバーからは、担当のお客様を題材にしているので「すぐに資料に反映することができた」とか、「トークをすぐに使うことができた」など、学んだことをすぐ実践に移すことができたという話を聞いています。

次に、部下育成スキルアップコースについてお伺いします。こちらの受講対象者についてお聞かせください。

基本的に、部長以上と部長になる手前の役職シニアリーダー・リーダーが対象ですが、受講については希望した人のみにしています。これは、会社が与えた研修というのはどうしても受け身になってしまいがちなので、自分に何か課題を感じて、そこに対する解決策として研修を受け、教えを乞いたいという自発性が必要だと考えたからです。
いわゆるマネジメントというものをしっかりと学んだ経験がないとか、そういう文化の無かった会社で育ってきたという人もおり、「どうやってマネジメントすればよいのかわからない」や「他のマネジメント方法について理解を深めたい」、また「現状のマネジメント力アップ」など、興味や課題を感じている人達が受講しています。

受講された方達に変化はありましたか。

マネジメントへの意識は変わったと思います。元々1on1（ワンオンワン）をやっていなかった人たちがやるようになったというのも一つの変化だと思います。部長が部下に対してwillをしっかりと聞き、それに対してどのようなことができるのかということを一緒に考えていく会話もできるようになってきたのではないかなと思っています。まだまだ、バラツキはありますが、学んだことを活かして、部下と共通言語で話せるようになるなど、土台を作るための研修を受講したことで変わってきているかなと思います。

続いて、マネジメントコースを受講されている方についてお話を聞かせていただけますか？

ベーシックコースからマネージメントコースまで全て受けている者が1名います。これは、本人の希望で受講をしています。弊社はまだ歴史も浅く、中途採用者が多いため個々人が持つさまざまな文化が交錯しており、組織として動いていくという経験がそれほど多くはない状況です。そんな中、しっかりとスキルを身につけて、学んだことをみんなに還元してくれています。土台をつくるという点において、研修で得たことをいろいろと体現してくれているかなと思います。部長になり、研修を受けたことで知識やスキルも加わってきているので、発言に対する影響力も出てきているなと感じています。

営業サプリ受講後の職場全体の変化はありましたか？

これは導入を始めた最初の頃ですが、当時、関西支社は業績があまり良い状況になく、また、マネージャークラスやリーダークラスとメンバークラスのコミュニケーションもあまり良いとはいえない状態でした。ちょうどそのタイミングで営業サプリを導入したのですが、受講生と職場コーチという営業サプリ上の会話がきっかけとなって、コミュニケーションが良くなったということがありました。職場コーチを担当したことがきっかけで、メンバーからの「教えて欲しい」に対して、「教えたいけど、どうしていいかわからなかった」という上司が抱えていた悩みが改善され、結果、業績も良くなったんです。

営業組織を全体的に見て、営業サプリの導入前後で比べると、コミュニケーションの取り方も変わり、会話の回数も増えたと思います。上司も部下からの相談に対して、以前より的確なアドバイスができるようになったのではと感じています。聞かれたらすぐ答えを言うのではなく、あなたはどう思うのとか、どうしたいのとか、本人の考えを聞き、そこからさらに話をするというように変わってきたと思います。

営業サプリを実施されて1番気に入っていただけているところは何ですか？

一つは、サプリコーチとのほどよい距離感でしょうか。弊社をずっとご担当いただいている中で、弊社の状況を理解いただき、メンバーのさまざまな話も聞いてくださっているので、弊社にあった指導の手法をとってくれているのではないかと思っています。社内の話なども共通言語で話せたり、バイネームでの話も伝わったりするので、いい意味で身近なコーチというか、相談しやすい、質問をしやすい、近すぎず遠すぎずの心地よさを感じています。

そして、やはり研修内容ですね。リクルート出身の方がやっていらっしゃる研修ということで、営業のメソッドや英知が集約した内容になっているので、効率良くかつ的確に最適なスキルを身につけられているのではないかなと思っています。実際に効果が出ていますしね。営業でいうと数字がつくれるとか、営業として当たり前だよねということが若いうちから把握できるようになってきているとか。マネジメントでいうと、マネージャーとしての質が一気に変わったとか。そういう結果が出ているので、「1番気に入っているところ」とおっしゃられていましたが、「イチオシ」というより「全部推し」という感じです。

サプリにひと言

今後期待いただくことやご要望など一言お聞かせいただければと思います。

マネジメントの中にもさまざまな種類や人それぞれの癖があると思うので、スポット受講など、必要に応じてフレキシブルに受講できるメニューがあるといいなと思います。それと、今後続けていく中でサイクルを作ってきたいと思っているので、自分がトレーナーになった時に学んだ内容が可視化されていて、受講した時のことを再度体験・振り返りができるといいなと思います。

また、オンラインの講座は、ゆくゆくはChatGPTのようなAIがアドバイスするようになっていくとは思うのですが、先人たちの英知といった部分をしっかりと若手に継承していくという意味では対面でやっていくというスタイルはいいところだと思っています。ですので、サプリのコーチ達の人間性だったり、距離感だったりというのを保ちながらより良いサービスになってくれたらいいんじゃないかなと思います。

最後に、今後、営業サプリの受講を通して実現していきたいことを教えていただけますか。

組織力を上げていくというのが一番ですね。 学ぶことでアウトプットも安定してくると思うので、その安定が後輩とか他の人たちへの教えになり、それができてくると会社としての色だったり土台ができてくると思っています。受講した人たちがどんどん社内にアウトプットしてもらうことが増えるといいなと思います。 ベーシックコースを過去に受講した今年４年目を迎えるメンバーが今マネジメント層になり、自分のメンバーの職場コーチを担当するようになってきています。ベーシックコースを受講したメンバーがやがて職場コーチを担当するというよい流れができてきたなと、今後の成長が楽しみになっています。

小口様、ありがとうございました！

（取材日：2023年8月）