上司と部下との板挟みの解消
営業部門の管理職、リーダー層を対象とした研修を数多く行う中で、受講者からお聞きするお悩みのベスト5は次のとおりだ。
1)上司と部下の板挟み
2)年上メンバーとの接し方
3)若手メンバーとの接し方
4)プレイヤーとマネジメントの両立
5)チームビルディング
どれも営業チームを率いていくリーダーであれば、直面するテーマだと思う。今回はその中でも「上司と部下の板挟み」をテーマに取り上げ、解決に向けたヒントを紹介したいと思う。
「君のチームは対前年〇%アップで頑張って欲しい!」
営業チームを率いるリーダーならば、何度も聞いたことがあるメッセージだろう。現場のメンバーは精いっぱい頑張っているので困難な目標だと訴えても、
「現場がサボっているとは思わないが、もう少し優先順位の付け方があるはずだ」
「そこをちゃんとマネジメントすれば、無理な目標ではないはずだ」
などと言われてしまう。
この上司からのメッセージをメンバーにそのまま伝えれば、
「優先順位って言われても、組織が定める基準なんてどこにもないですよ」
「新規顧客からのお問い合せや、既存顧客の対応で精一杯ですよ…」
と言った反発が返ってくるのが目に浮かぶ。
これと似たようなジレンマを感じたことはないだろうか。
これは、営業方針というベクトルが、トップと現場でそろっていない典型的な症状だ。
方針を決めるべき役割のリーダーが意思決定せず、現場に結果を出すことだけを求めると、現場は感情的になる。
このような営業現場の感情の受け止め方を間違うと、トップ・ミドル・現場の人間関係がこじれてしまう。
この時一番やってはいけないのは、
ことだ。部下からすると、「なんだ、このリーダーは頼りにならないなあ」と見えてしまうからだ。
こんな時はまず、同意するのでも、否定するのでもなく、現場の感情を受け止めることが肝要だ。
そうすることで、部下との「関係の質」が変わってくる。部下と起きている事実を冷静に見つめ、議論を尽くすことができるようになる。
ここまでくれば、自ずと方針が見えてくる場合が多い。下図で示す成功循環モデルの「関係の質」が「思考の質」に移行するのだ。
そして、最後はリーダーであるあなたが、「こうしよう!」と決めることが大事だ。
上司に対しては、現場との調整役になるのではなく、リーダーとしての自分の考えを丁寧に説明し、自分が納得するまで上司と話し合うことが重要だ。
その格闘するリーダーの姿を現場のメンバーはちゃんと見ている。このようなリーダーのコミュニケーションによって、トップ・ミドル・現場の考えが通じ合い、営業方針というベクトルがそろってくる。
このような取り組み姿勢の事を「リーダーシップ」と言うのだ。
この時点であなたは、上司からも部下からも信頼される存在になっていて、もはや板挟み状態ではなくなっているはずだ。
イラスト:室木おすし
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