メンバーの動機付け
計画は立派なものを立てるが三日坊主で、やり切る力がない…と嘆く営業リーダーの声をよく耳にする。ただ、人間誰しも、やらねばならない事もよく分かっているが、なかなか体が動かない、気乗りがしない、という気持ちと葛藤し、日々を過ごしているのではないだろうか。
マネジメント側は「一旦決めたことは絶対やり切る!」という不退転の決意を持つことは当然必要だと思う。だが一方で、メンバー全員が同様に強い意志を持って、すぐに動いてくれるものではないことも、当然の前提とするべきで、それを見越して何らかの対策を講じる必要がある。今回は、その対策について考えていこう。
例えば、営業チームに配属された5人の新入社員への育成の意味も含めて、過去の販促セミナーにご参加いただいた未取引客にアポイントをとり、新サービスの案内を行いながら、そのニーズを把握するミッションを担ってもらう事にしたとしよう。つまり、このミッションが新入社員にとっては実践すべき営業行動だ。
おそらくスタート当初は、意気込んでアポを取ろうとするだろう。でも、そのうちなかなかアポがとれないことに意気消沈し始め、たとえ運良く面談してもらえても、新サービスの説明も、ヒアリングも上手くできずに退散する場面がつづき、やる気がなくなってきてしまう…。こんな時こそ、シカケを考える絶好の機会だ。
では、このミッションを促す動機づけ策として、どんなシカケがあるか考えてみよう。
この3案とも、私がお手伝いしたお客様で実際に行ったシカケ策だ。
さあ、皆さんならどの案が一番効果的だと思うだろうか。
案1は、「どうせやっても、うまくいかないよ…」と思ってしまうブレーキ要因が、新入社員の心の中にある。そのブレーキを外すために、成果を見える化して競争させるという動機づけ策を講じている例だ。ただ、5人の新人達は孤独なレースを黙々とやることになり、これが長く続くと疲弊してしまうかもしれない。
案2は、「効果的なやり方が分からないから、もうできないよ…」というブレーキ要因を外すために、教えてもらえる先輩とペアでチャレンジする動機づけ策になっている。
これはチーム対抗戦になるので孤独感は払しょくされ、先輩も担当する新人を勝たせようと上手く教えようと努力するし、新人も先輩の指導に報いたいという連帯責任が生じて、相乗効果が期待できるいいシカケと言える。
案3となれば、もう各チームに応援団が大勢いる状態だ。なんとかその期待に応えようと頑張るだろう。
これ以外にも、チーム一丸となって難局を突破するために、やり切るべきことが日々多々あると思う。そんな時、営業リーダーのあなたは、どうするか。幾多の壁を乗り越え、実績を上げ、評価を得てきたあなたから見たら、「なぜこれができないんだろう」「自分はがんばってきたのに」と思ってしまうのも当然だ。
でも考えてみてほしい。
リーダーやマネージャーになった以上、がんばるのはあなたではなくてメンバーだ。あなたの仕事はメンバーが楽しくがんばれる環境を整えることだ。今できないことを、できるようにすることだ。
想像してみてほしい。
あんなにへなちょこで毎日がつらそうだった若いメンバーが、あなたが創意工夫を凝らしたモチベーションアップのシカケのおかげで、いつの間にかたくましくなり、楽しそうに仕事をしているのを見る日が来たら、どうだろうか。泣けてくるじゃないか。
その日こそ、あなたの勝利の日だ!
イラスト:室木おすし
この記事の内容を含めた、メンバーを動かす働きかけの方法についてまとめたPDFにまとめて無料配布しています。簡単なフォームに入力するだけでダウンロードしていただけます。ぜひご覧ください。
この教科書でも解説している「勝ちパターンの共有」を、実際に実践できるプログラム『営業サプリ みんなで勝ちパターンコース』を開講しました。
実際にチームメンバーと勝ちパターンを構築・共有することで、チーム全体で売れるチームを目指すプログラムです。コーチの個別アドバイスを受けながら、貴社のチームに合わせて進めるができます。
営業も個の時代は終わり。チームで営業力を高めていきませんか。さあ、一緒に学びましょう!
営業サプリ「みんなで勝ちパターンコース」紹介資料 ダウンロード
こちらのフォームにご入力ください(入力時間1分)。*は必須項目です。
この記事の情報は公開時点のものです。