仕事の意味付け

営業チームのリーダーがメンバーに自分の仕事を意味付けさせるには?

イソップ童話のレンガ職人の話はご存知だろうか?
同じレンガを積む仕事をしていても、「レンガを積むこと」が仕事と思う人もいれば、「街の人々の心をいやす大聖堂を造っている」と、仕事を意味づけて働く人もいるという話だ。
言わずもがな、後者のような人は、高いモチベーションを維持しながら仕事ができる人だ。
だが、自律的に、仕事の意義や意味を見出し続けることができる人は、そんなに多くはいない。しかし、私もそうだが、誰かに助けられて、それが明確になった経験を持っている人もいるはずだ。今回は、そのポイントについて考えていこう。

営業チームのリーダーがメンバーに自分の仕事を意味付けさせるには?

Willを引き出しMustを重ねて仕事を意味づけよ!

では、仕事へのモチベーションが下がり、元気がなくなってきたメンバーに、どのように手を差し伸べたらいいか? 考えられる要因の1つとして、今やっている仕事が“やらされ感”になっていることがあげられる。やらねばならないことだと分かっているけど、どうもやりたくないんだよなぁ…という状態だ。

分かりやすい例として、先輩から大手企業を引き継いだA君の場合を考えよう。前任の先輩と比べて、お客様から全幅の信頼を得ているわけではない。大型商談が獲得できる余地は十分あるのに、ついつい足が遠のいてしまう。
ただ、そんな時には、「顧客のことや担当者の仕事内容をよく調べ、少しでも役立ちそうな情報を届けたり、何かのついでに顔を出しコミュニケーションの頻度を高めるなど、信頼獲得に向けた地道な活動が必要だ」と、あなたは何度もメンバーにアドバイスするが、それをやっている気配は一向に感じない。

「そんなに難しいことを言っているわけではないだろう!お前、やる気あるのか?」
と説教したくなる。
実はその通りで、メンバーからすると、言われていることは正論でやるべきだと思うのだが、“どうも、やる気が起きない”のだ。 そんな時は、アプローチ方法を変えて、
「A君、ここまでの大手企業を担当するのは初めてだろう。どんな営業してみたい?」
「この機会を活かして、自分は営業としてどう成長したい?」
と、本人のWill(意思・意向)を引き出してみることをお勧めしたい。

すると、

A君「これまでは、商品力や会社のブランドでお付き合いしてもらっていたように思うんです。でもこれからは、A君だから取引したいと言われるようになりたいですね。」

と言ったことを口にするかもしれない。

あなた「だったら、ちょうどいい機会だよ。前任の先輩の影が薄れるくらい、自分の存在感を出してみたらどうだ!」

と、やるべきこと、つまりMustを重ね合わせ、意味づけてあげることがポイントだ。

更にCanを重ねて、その可能性を勇気づけよう!

A君「でも、できますかね、先輩は優秀だったし…」

と言ったことを口にするかもしれない。

あなた「A君、今も担当しているX社は、役員さんとずっとやり取りしてるよね。大手企業ではないけど、経営課題についても、相談される関係をよく築いていると思うよ。」
「それは、A君がX社のことをよく理解してくれていると役員さんが感じているからだよ。企業の規模は違うけど、A君ならできると思うよ。」

と、メンバーの強みとなる能力(Can)を具定例を挙げて承認し背中を押すことだ。

Will-Must-Canの輪

また、次のようなアドバイスも有効だ。

あなた「A君は、よく事例も勉強して、いろんなアイデアを投げ掛ける強みを持っているよね。ただ、そのアイデアがお客様にとって実践的な内容だという根拠を示すロジックが弱いことがある。そのためには、もっといろんな人に会い、緻密にお客様のことを調べることが大事だ」

というように、これから更にできるようになって欲しいこと(Can)を伝えることだ。

このように、メンバーの“Will”を引き出し、やるべき“Must”に接続し、頑張ればできるぞ!と“Can”の輪の広がりを示唆することで、やらされ感はなくなり、自分ごととして前向きに取り組むようになる。

これはいわゆる、コーチング手法の1つだ。名選手には、名コーチが必ずいる。是非、これを機会に、名コーチを目指して欲しい。

イラスト:室木おすし

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この連載の著者

亀田コーチ(亀田 啓一郎)

亀田コーチ 顔写真

株式会社プロジェクトプロデュース 代表取締役。神戸大学工学部卒業後、リクルートに入社。法人向け新規開拓営業に従事後、販促企画やナレッジマネジメントなどの営業支援を担当。リクルートマネジメントソリューションズでは、営業研修や営業組織強化のワークショップ設計に従事。2006年に独立起業。営業、販売、接客などの顧客接点部門の組織開発プロジェクトを数多く手がける。

亀田啓一郎

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