事例勉強会のポイント
営業リーダーの皆さんなら、商品やサービスの事例勉強会を企画し実施した経験を持つ方も多いと思う。ところがせっかく勉強会を実施してみても、事例の内容をお客様の状況に合わせて使いこなすことができるメンバーが少ないことに、落胆したことはないだろうか。
今回は、事例勉強会の留意点についてお伝えしよう。
私も仕事柄、お客様の事例勉強会なるものに陪席させてもらうことがあるのだが、ありがちなケースとしては、以下のような進め方が多い。
これでは事例勉強会ではなく、単なる「事例説明会」に過ぎない。確かに、案件内容を詳しく理解することはできるが、この進め方では、「この事例はこの営業場面で活用すると説得力がでる!」というレベルまで発想を広げて理解するまでには至らないことが多い。
これを専門的な言葉で言うと「メタ認知能力」という。1つの事象を、より高次元なレベルで客観的に捉えて、その意味を理解する力だ。
この「メタ認知」まで理解が深まらないと、「とても努力して受注して凄いなと思うけど、自分の営業にはあまり関係がないなあ…」という感想で終わってしまうのだ。
事例には、次の4つ要素が含まれる。逆に、この4つの要素が含まれない場合は、事例勉強会のネタとしては適していない。
前回のコラムで紹介したリフォーム会社の「浴室乾燥機」の施工事例を引用すると、
このように整理することができる。
事例勉強会は、ここから議論を発展させていくことがポイントだ。
というように、事例のニーズと提供価値を起点に、どのような営業場面で活用できそうか、そのイメージを膨らませていくことが重要なのだ。
特に、営業リーダーの皆さんは、上記の2、3、4が自社商品・サービスの営業先に展開しやすい事例を意識的にピックアップして、チームで行う勉強会の企画や議論をうまくリードしてもらいたい。
イラスト:室木おすし
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