育成計画の考え方
部下育成を任されている営業リーダーは多いと思う。ただ、多くの営業リーダーは、自分は丁寧に育てられた覚えはなく、放任され自力で頑張ってきたという認識を持っている人が多い。そんな自身の経験から、自主性という名目で本人任せになっていることもある。
今回は、部下の状況に合わせた育成計画を立て、導いていく方法をお伝えする。
育成計画を立てる時の留意点は、部下と一緒に計画することである。
上司の思いつき、場当たり的な指示や指導は、部下が納得せずにやらされ感を持ってしまう場合がある。そうなることを回避するためにも、部下と育成計画を共に立て、成長イメージを合意することで、日々のアドバイスや指導内容に一貫性が生まれ、部下も納得感を持って取り組むことができるのだ。
では、具体的にはどうすればよいか説明しよう。
図表のステップアップシート(メンバー用)を見て欲しい。
ステップ1:まずは部下本人に、今後の目指す姿を考えさせる。
ステップ2:そのために、自分が努力することと、上司への要望を書いてもらう。
次に、メンバー育成計画シート(上司用)を見て欲しい。
ステップ3:今度は、営業リーダー側が部下への期待を込めて、目指して欲しい姿を描く。
ステップ4:そのためにメンバーに取り組んで欲しいことと、営業リーダー自身が指導支援しようと思うことを書く。
そして、
ステップ5:双方が記入したシートを持ち寄り、育成面談を行う。
という流れだ。
まずは部下の意向をよく聴くことである。ついつい、自分が書いた内容を説明したくなったり、聞いているふりをしながら、持論に誘導してしまいがちだ。
この育成面談の進め方には、ポイントが3つある。
例えば、もっと大手企業を担当できるようになりたい、と書いてあったとすれば、
と言ったように問いかけながら、本人が描いている具体的なイメージを引き出していくことが重要だ。
このような問いかけをすることで、表現は違えど、営業リーダーが期待している部分と重なってくることが多く見出せるはずだ。
例えば、大手企業だからこそ実施できる大規模案件を受注すれば、自社の他部門の人と一緒に仕事ができるようになり、仕事の幅が広がってくるから、と言った根底にあるメンバーの思いを知ることができる。
もし異なる部分があっても、根底にある思いと合致すれば部下は納得する場合が多い。
例えば、いきなり超大手企業を担当することは難しくても、まずは他部門との横断プロジェクトが受注できそうな中堅企業を担当してもらうということで合意することができる。
このように育成計画を立てることよって、部下自身が成長に向けて意欲的になってもらうことに意味がある。皆さんの会社でも所定の面談フォーマットなどが整備されている場合があると思うが、これらの要素を独自に取り入れながら取り組んで欲しい。
イラスト:室木おすし
この記事の内容を含めた、メンバーを動かす働きかけの方法についてまとめたPDFにまとめて無料配布しています。簡単なフォームに入力するだけでダウンロードしていただけます。ぜひご覧ください。
この教科書でも解説している「勝ちパターンの共有」を、実際に実践できるプログラム『営業サプリ みんなで勝ちパターンコース』を開講しました。
実際にチームメンバーと勝ちパターンを構築・共有することで、チーム全体で売れるチームを目指すプログラムです。コーチの個別アドバイスを受けながら、貴社のチームに合わせて進めるができます。
営業も個の時代は終わり。チームで営業力を高めていきませんか。さあ、一緒に学びましょう!
営業サプリ「みんなで勝ちパターンコース」紹介資料 ダウンロード
こちらのフォームにご入力ください(入力時間1分)。*は必須項目です。
この記事の情報は公開時点のものです。