コーチングスキル

営業リーダーのコーチングスキルとは?チームや人を動かす基本スタンス

前回は、営業リーダーに必要なコミュニケーションスキルとして「方針を伝えるスキル」について解説した。一方、リーダーからのメッセージを伝えるだけでなく、“メンバーの思いを汲み取る”コミュニケーションスキルも重要だ。
今回は、“メンバーの思いを汲み取る”ために必要となる「コーチングスキル」について解説する。

営業リーダーのコーチングスキルとは?チームや人を動かす基本スタンス

コーチングとは、相手の思いや能力を引き出し、自発的な行動を促すこと

コーチングの定義には様々なものがあり、統一された定義はないが、共通する要素としては、以下の3点を目的としたコミュニケーション手法である。

  • 対話を通して、相手との信頼関係を築く
  • 相手の思考を刺激して、自己実現や目標達成の可能性を最大化すること
  • 自己実現や目標達成に向けて、相手に自発的な行動を促す

つまり、そのメリットとしては上記と同様だが、「コーチング」が万能薬というわけではない。
コーチングは、「相手の中に答えがある」というのが基本的なスタンスだ。ただ、メンバーの知識スキルが乏しい場合は、先に役立つ知識や手法を教えてあげる方が効果的な場合もある。つまり、メンバーの状況に応じて、ティーチングとコーチングの使いわけが重要なのだ。

ティーチングとコーチングの使いわけ方

一般論としては、モチベーションが高いが、知識スキルがまだ備わっていないメンバーには、ティーチング。ある程度の経験を持ち一定レベルの知識スキルを有しているのに、やる気を感じない、行動に移せないンバーには、コーチングが有効と言われている。

営業メンバーでの具体例で言えば、訪問量も多い、自分でもよく勉強しているなど、つまり自発的にアクションを起こしているのに、うまくいかずに悩んでいるメンバーには、効果的、効率的なやり方をティーチングすれば、すぐに実践するはずだ。
そこから、成功体験を自力でつかめば、自信になり、また新たなチャレンジをし始める成長の好循環が生まれる。

一方、いろいろとアドバイスや指示をしても、その時は「はい、わかりました、やってみます」というものの、いっこうにやる気配を感じないメンバーには、「今、何にモヤモヤしているのか?」、その真意を聴き、共に整理していくコーチングが必要だ。

これだけは押さえておきたいコーチングの基本スタンス

まずは基本的なスタンスとして重要なことは、以下の2点だ。

1)性善説に立つ

ついつい、このメンバーはそもそも怠け者だ、この仕事には向いてないなど、人格や潜在的な可能性を否定するモードになってしまいがちだ。
性善説に立つとは、そもそも力を持っているのに、なんらかの要因でそれが発揮できていないと考え、それを一緒に明らかにしようとするスタンスを貫くことだ。

2)理解することに徹する

いろんな企業でコーチング研修のロールプレイをすると、最初はいくつか質問しながら状況を確認するが、すぐに上司役は自分の意見やアドバイスを話し始める。結局、上司役が部下を説得する場に変わっていることが非常に多い。

理解することに徹するためには、相手の発言をさらっと受け流さないことだ。 例えば、「やろうやろうと思っているのですが、時間がなくて…」とメンバーが発言した時、 この言葉尻だけに反応したり、「また言い訳か…」と自分なりの解釈をすぐするのではなく、

  • このメンバーは、今、どんな気持ちで話しているのだろうか?

そこをもっと理解しようと、踏み止まってみることだ。

相手を本当に理解することは、実際には不可能だと思う。ただ、相手が「この人はちゃんと自分のことを理解しようとしてくれている」という信頼感を持てるがどうかがポイントだ。

具体的には、承認・傾聴・質問といったようなコーチングスキルがたくさんあるが、まずは上記の2つの基本スタンスを意識してコミュニケーションをするだけで、メンバーとの関係性が変わってくるはずだ。ぜひ、試してもらいたい。

イラスト:室木おすし

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この連載の著者

亀田コーチ(亀田 啓一郎)

亀田コーチ 顔写真

株式会社プロジェクトプロデュース 代表取締役。神戸大学工学部卒業後、リクルートに入社。法人向け新規開拓営業に従事後、販促企画やナレッジマネジメントなどの営業支援を担当。リクルートマネジメントソリューションズでは、営業研修や営業組織強化のワークショップ設計に従事。2006年に独立起業。営業、販売、接客などの顧客接点部門の組織開発プロジェクトを数多く手がける。

亀田啓一郎

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