コーチングスキル
前回は、営業リーダーに必要なコミュニケーションスキルとして「方針を伝えるスキル」について解説した。一方、リーダーからのメッセージを伝えるだけでなく、“メンバーの思いを汲み取る”コミュニケーションスキルも重要だ。
今回は、“メンバーの思いを汲み取る”ために必要となる「コーチングスキル」について解説する。
コーチングの定義には様々なものがあり、統一された定義はないが、共通する要素としては、以下の3点を目的としたコミュニケーション手法である。
つまり、そのメリットとしては上記と同様だが、「コーチング」が万能薬というわけではない。
コーチングは、「相手の中に答えがある」というのが基本的なスタンスだ。ただ、メンバーの知識スキルが乏しい場合は、先に役立つ知識や手法を教えてあげる方が効果的な場合もある。つまり、メンバーの状況に応じて、ティーチングとコーチングの使いわけが重要なのだ。
一般論としては、モチベーションが高いが、知識スキルがまだ備わっていないメンバーには、ティーチング。ある程度の経験を持ち一定レベルの知識スキルを有しているのに、やる気を感じない、行動に移せないンバーには、コーチングが有効と言われている。
営業メンバーでの具体例で言えば、訪問量も多い、自分でもよく勉強しているなど、つまり自発的にアクションを起こしているのに、うまくいかずに悩んでいるメンバーには、効果的、効率的なやり方をティーチングすれば、すぐに実践するはずだ。
そこから、成功体験を自力でつかめば、自信になり、また新たなチャレンジをし始める成長の好循環が生まれる。
一方、いろいろとアドバイスや指示をしても、その時は「はい、わかりました、やってみます」というものの、いっこうにやる気配を感じないメンバーには、「今、何にモヤモヤしているのか?」、その真意を聴き、共に整理していくコーチングが必要だ。
まずは基本的なスタンスとして重要なことは、以下の2点だ。
ついつい、このメンバーはそもそも怠け者だ、この仕事には向いてないなど、人格や潜在的な可能性を否定するモードになってしまいがちだ。
性善説に立つとは、そもそも力を持っているのに、なんらかの要因でそれが発揮できていないと考え、それを一緒に明らかにしようとするスタンスを貫くことだ。
いろんな企業でコーチング研修のロールプレイをすると、最初はいくつか質問しながら状況を確認するが、すぐに上司役は自分の意見やアドバイスを話し始める。結局、上司役が部下を説得する場に変わっていることが非常に多い。
理解することに徹するためには、相手の発言をさらっと受け流さないことだ。 例えば、「やろうやろうと思っているのですが、時間がなくて…」とメンバーが発言した時、 この言葉尻だけに反応したり、「また言い訳か…」と自分なりの解釈をすぐするのではなく、
そこをもっと理解しようと、踏み止まってみることだ。
相手を本当に理解することは、実際には不可能だと思う。ただ、相手が「この人はちゃんと自分のことを理解しようとしてくれている」という信頼感を持てるがどうかがポイントだ。
具体的には、承認・傾聴・質問といったようなコーチングスキルがたくさんあるが、まずは上記の2つの基本スタンスを意識してコミュニケーションをするだけで、メンバーとの関係性が変わってくるはずだ。ぜひ、試してもらいたい。
イラスト:室木おすし
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