商談管理表・日報の活用
前回のコラムでは、チームで営業ノウハウを共有する手法として、「勝ちパターン」のつくり方について触れた。ただ、せっかく「勝ちパターン」を見える化しても、それを営業メンバーに徹底できなければ意味がない。今回は、営業メンバーに「勝ちパターン」を意識づけ、実践を促すシクミづくりについてお伝えしたい。
どんなことにでも言えることだが、新しい手法や考え方を定着させていくには、日々の活動の中に組み込む必要がある。例えば、子供が帰宅したら手洗いと共に、うがいをする習慣を徹底させたいと思えば、洗面台の石鹸の横にうがい薬とコップを並べて置くようなイメージだ。
営業のマネジメントでも同様に、営業ノウハウを見える化した「勝ちパターン」の概念を、ルーティーンで行う作業の中に組み込むことで、その実践を意識づけることができる。
その1つの手法として、「商談管理表」というシクミの工夫が挙げられる。
図に示したものは、ある製薬会社の「商談管理表」の例だ。
ステップ1~6の内容を見てほしい。これが営業メンバーに実践してほしい勝ちパターンの流れだ。すでにクリアできているステップ1・2は、その結果が黒字で記入され、次に目指すステップと、そのためのアクションプランが一目で分かるようになっている。
このステップがフォーマットに組み込まれていることで、自然と勝ちパターンを意識して、いつまでにどんな活動をすべきかを考えるシクミになっている。
おそらくどんな営業組織にも、日報や週報を提出したり、営業活動の進捗、数字の変化を報告するためのレポートフォーマットがあるはずだ。そのフォーマットに「勝ちパターン」の概念を組み込むのだ。
よくありがちな残念な例として、以下に示すような、営業メンバーが行ったアクション内容だけが書かれている、営業日報を見ることが多い。
例えば、
日付 | 訪問先 | 内容 |
---|---|---|
〇月〇日 | ***会社 | ##様に初回訪問 |
〇月〇日 | ***会社 | 〇〇部長に事例説明 |
〇月〇日 | ***会社 | ##様に見積提示 |
という内容だ。
これだと、何を狙ってアクションしたのか? その結果は、どうだったのか?
がサッパリ分からない。
前回の脱属人化!営業ノウハウの共有方法とは?「勝ちパターン」を見える化するでも述べたが、優秀な営業メンバーは1つひとつの営業アクションに明確な意図や狙いがある。まずは、そこを他の営業メンバーにも意識づけることで、勝ちパターンが刷り込まれるようになる。
つまり、図で示した「商談管理表」のステップ3を例にとると、「症例データを入手する」という狙いを持って、アクションする内容と期限が青字で書かれている。
そして、狙いどおり成功したのかどうか、その結果を営業メンバー本人に記入させるフォーマットの構造にすることで、自らの営業活動を振り返り、自分なりに次の一手を考える思考習慣が生まれるのだ。
このように、「勝ちパターン」を見える化するだけでなく、その実践を意識づけ、営業メンバーが主体的に考え行動するシクミをつくることも、営業リーダーにとしての重要な役割なのだ。
イラスト:室木おすし
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