営業スキルの教え方
野球の話だが、鋭く落ちるフォークボール、落差のあるカーブを器用に投げることができるピッチャーでも、打者を打ち取れる投球ができない場合がある。これは様々な球種を器用に投げる技能(スキル)は持っていても、打者の特性に合わせて打ち取る配球パターン(型)を知らないからだ。
今回は、「営業スキル」を身に付ける事と、営業の「型」を身に付けることの違いについてについてお伝えしよう。
営業配属された新入社員に、会社紹介、商品説明、事例説明などをスラスラと話せるようになるためのトレーニングを行うことはよくあるはずだ。もちろん、最低限の基礎スキルを身に付けるためには不可欠で、トレーニングをすれば鍛えた部分の完成度は高くなる。
ただ、このような個々の動作を部分的に磨いても、営業として売れるようにはならない場合がある。
例えば、営業メンバーに指導する際に、「商品説明が冗長で分かりにくい!」「A社の事例は背景情報をもっと補足して説明すべきだ!」と言うように部分的なスキルを取り上げて指摘するリーダーが多いが、これは枝葉の部分だ。
営業活動には、いろんなコミュニケーションスキルを組み合わせた「一連のやりとりの流れ」がある。前後の文脈によって、商品説明や事例説明の仕方は異なるはずだ。
つまり、指導する際に重要となる幹の部分は、商談のやりとりの流れが妥当だったか、その流れに則したヒアリングや説明ができていたかどうかだ。
武道にも「型」がある。相手に仕掛け、その反応によって得意技を繰り出し勝負を決める。その一連の動作を「型」として覚える。営業活動もお客様の反応によって、自社の商品のアピールの仕方や事例の説明方法は異なってくる。この一連の流れ(ステップ)を「型」として教えることが重要なのだ。
住宅リフォーム会社の例で「型」を説明しよう。
上記のステップ1~3に示す、観察⇒想定質問⇒事例紹介でメリットを伝える、という一連の流れが「型」だ。観察する事象によって、ニーズも変わり、伝える事例も変わる。
まず、このステップ1~3のバリエーションを「型」として教えることが重要なのだ。
そして、「型」を実践する精度を上げるために、ステップ2の想定質問スキルや、ステップ3の事例紹介スキルを磨いていく。
ぜひ、「型」と「スキル」の考え方を切り分けて、メンバー教育に取り組んで欲しい。
イラスト:室木おすし
この記事の内容を含めた、メンバーを動かす働きかけの方法についてまとめたPDFにまとめて無料配布しています。簡単なフォームに入力するだけでダウンロードしていただけます。ぜひご覧ください。
この教科書でも解説している「勝ちパターンの共有」を、実際に実践できるプログラム『営業サプリ みんなで勝ちパターンコース』を開講しました。
実際にチームメンバーと勝ちパターンを構築・共有することで、チーム全体で売れるチームを目指すプログラムです。コーチの個別アドバイスを受けながら、貴社のチームに合わせて進めるができます。
営業も個の時代は終わり。チームで営業力を高めていきませんか。さあ、一緒に学びましょう!
営業サプリ「みんなで勝ちパターンコース」紹介資料 ダウンロード
こちらのフォームにご入力ください(入力時間1分)。*は必須項目です。
この記事の情報は公開時点のものです。