メンバーの評価とフィードバック

営業メンバーのモチベーションを高める評価・フィードバックの方法とは

メンバーの評価に携わっている営業リーダーの方も多いと思う。評価のフィードバックの仕方1つで、メンバーのモチベーションが高まったり、または軋轢を生む原因にもなる。
今回は、部下への評価のフィードバックのポイントについてお伝えしたい。

営業メンバーのモチベーションを高める評価・フィードバックの方法とは

「実績」と「行動」2つの視点で、常日頃からメンバーを観察せよ

評価の透明性と公平性が担保されていないと、メンバーのモチベーションは上がらない。
透明性とは評価基準が明確になっていることである。皆さんの会社で評価ルールが定められ、周知されている場合は、一定の透明性はあるということだ。
公平性とはえこひいきがない、評価者間で評価基準の解釈にズレがないということだ。ただ、人が人を評価する上で、評価者の主観を完全に排除することは難しい。

そこで、できるだけ主観を排除するためには、以下に挙げる2つのポイントで「客観的な事実」を把握し、それを評価の根拠にすることが大切だ。

ポイント1:評価期間中に挙げた実績に着目する

営業の結果として出た数字は、「客観的な事実」で主観が入らない。ただ、この実績には、本人の努力以外の要素も影響する場合がある。例えば、大口の担当取引先が倒産してしまい業績に影響が出る場合、また、競合会社に不祥事があり、その結果、自社に発注が殺到するという“棚ぼた”的な場合もある。

ポイント2:実績を出すためにとった行動に着目する

そのような外的要因を排除するためには、営業メンバーがとった行動の差や変化を客観的に観察して把握しておくことが重要だ。同じ実績を出している場合でも、競合がひしめく状況から大型受注を獲得して実績を出したA君と、先輩から契約寸前の会社を引きついで実績を出したB君では、やっている行動内容が違うはずだ。

営業メンバーが納得し、モチベーションを高めるためのフィードバックのコツ

「A君、上半期はホントに頑張ったよね!だから、評価も高めにしているよ」と言われたら、嬉しいかもしれないが、「どこを頑張ったと評価してくれたのだろう?」と疑問を感じるはずだ。
「B君、実績面は言うことないんだけど、もうひと頑張りが欲しかったな」と言われたB君は、「じゃあ、何を頑張ったら良かったの?」と思うだろう。メンバーにそんな消化不良感を持たせないために、こんなフィードバックがおすすめだ。

ポイント1:把握した客観的事実を評価の根拠として伝える

「A君、実績面では3番目だけど、競合会社との違いを1つひとつ整理して、丁寧にお客様に説明しながら信頼を獲得していったことが、逆転の大型受注につながったよね」
「作ってくれた資料は、他の営業メンバーにも活用されるくらい完成度が高いよ」
評価の背景や根拠を聞きながら「だからプラスの評価をしている」と言われた方が、モチベーションは上がるはずだ。

ポイント2:メンバーに自己評価を確認し、今後の課題を具体的に伝える

「B君、上から3番目の実績だ。これは素晴らしい貢献だね。この実績を自分ではどう評価しているの?」と、最初に自己評価を尋ねてみる。
自分を客観的に把握できているメンバーならば、「先輩から引きついだ会社が上手く受注できたので、ラッキーでした」とコメントするだろう。
「いや、先輩が築いた信頼関係を崩さないように、いろんな部署を回りながら丁寧に状況把握をしていることは、ちゃんと分かっているよ」
「次は、B君だからこそ新たにこんな相談をしたい、とお客様から言われるようになって欲しい」
というように、これからの成長に向けてのポイントを伝えることも、モチベーションを上げるポイントだ。
フィードバックについてはこちらの効果的なフィードバックとは?落とし穴と育成効果を最大化する3つのポイントも読んでほしい。

いずれにしても、評価の根底にあるのは、「ちゃんと見ている」「見守っている」という評価者のスタンスだ。ここが疎かになってしまうと、メンバーとの信頼関係が崩れてしまい、何を伝えても納得感がなくなってしまうのだ。

イラスト:室木おすし

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この連載の著者

亀田コーチ(亀田 啓一郎)

亀田コーチ 顔写真

株式会社プロジェクトプロデュース 代表取締役。神戸大学工学部卒業後、リクルートに入社。法人向け新規開拓営業に従事後、販促企画やナレッジマネジメントなどの営業支援を担当。リクルートマネジメントソリューションズでは、営業研修や営業組織強化のワークショップ設計に従事。2006年に独立起業。営業、販売、接客などの顧客接点部門の組織開発プロジェクトを数多く手がける。

亀田啓一郎

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