営業戦略と営業戦術
営業戦略や営業戦術と聞くと、なんとなく難しそうだが、好業績を維持しているハイパフォーマー営業は無意識に行っている。ただ営業リーダーには、そのデキル人の考え方、着眼点、実践ノウハウを言語化してメンバーに伝えることが求められる。
今回は、営業戦略や戦術を明示していくポイントについてお伝えする。
まず営業戦略とは、
何を(商品・サービス)、どこに(対象顧客)、どのように売るか(売り方の要点)
を表現したものだ。
「どのように売るか(売り方の要点)」には、以下の2つの観点がある。
1)どんなニーズのお客様には、どんなメリットを訴求するか?
2)競合や代替手段と、どのように差別化するか?
つまり、取り扱う商品ごとに、「狙うべきターゲット顧客はココだ!」「ここをアピールして、こうやって競合と差別化しろ!」というメッセージを明確にすることだ。
次に営業戦術とは、
営業戦略をチームメンバーが遂行できるように、上記の「どのように売るか」の部分をより具体的に示したものだ。
例えば、A商品のターゲット顧客には、概ね「納期短縮ニーズ」と「人員削減ニーズ」の2つニーズがあるとすれば、
前者のニーズには、どんな営業ツールを使い、どんな営業トークが有効なのか?
後者のニーズには、X社の競合サービスと比較されるので、どのような差別化手法が有効なのか?
などのような営業場面で勝負となるところを、誰もが実践できるように営業メンバーに落とし込んでいることがポイントになる。
あなたの営業チームで注力する商品が決まっている時、この商品のターゲット顧客の条件が、営業メンバーとしっかりと共有できているかどうかを、まず確認するべきだ。これが営業戦略を明示する要諦となるからだ。
実は、このターゲット顧客の条件がそろっていない営業チームは意外と多いのだ。
先ほど例示したA商品の場合、ターゲット顧客の条件を「納期短縮ニーズを持つお客様」というレベルで営業メンバーに伝えているとしたら、これは大きな勘違いだ。
メンバーからしてみると、「納期短縮ニーズを持つお客様」を見出す方法がわからないから困っているのだ。
例えば、「納期要求が強いことで知られるZ社が、主要取引先に含まれるお客様をリストアップせよ!」という具合に、メンバーがアクションできるレベルまで言語化できていることがポイントだ。
このターゲット顧客の条件を言語化することは、営業リーダーが一人で抱え込む必要はない。メンバーを巻き込みながらその条件を議論していけば、共通の要素が見えてくる。
ターゲット顧客の条件が決まれば、自ずとその顧客層が持つニーズは特定され、競合も特定されてくる。つまり、勝負となる営業場面が見えてくる。そこが特定されると、営業戦術が立てやすくなるのだ。
以下のコラムにも営業戦略や戦術の詳細について述べているので、参考にしてほしい。
イラスト:室木おすし
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