営業コーチングとは?部下の営業力を引き出すポイントを解説

コーチングは、チームメンバーの能力の向上や課題克服に有効な育成方法で、もちろん営業組織においても有効な手段です。個人の抱えている悩みによっては、他の方法との使い分けも必要となり、営業マネージャーには現状を見極めた活用が求められます。 この記事では、営業コーチングの進め方のポイントを解説します。営業チームにコーチングを取り入れたいと考えているリーダーやマネージャー層の方は、ぜひご一読ください。

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「GROWモデル」とは?コーチングのスキルを営業マネジメントに活かす手法

営業コーチングとは

営業コーチングとは、部下が自ら考え、気付きを得て目標を達成できるように、上司部下双方でやり取りを行う手法です。
上司から部下への一方的なコミュニケーションである「指導」や「教育」とは異なり、対話をしながら自発的に答えを導き出せるようサポートすることが「コーチング」の役割となります。
そのため、部下に対して自省を促す質問を的確に投げかけるスキルが求められます。

ティーチング、一般的なコーチング、営業コーチングの違い

営業コーチングとティーチング、一般的なコーチングには以下のような違いがあります。

ティーチング

「ティーチング」とは、英語の「teaching(教える)」という言葉の通り、上司が部下に教えることを意味します。上司が指導する側、部下が教わる側となり、持っている知識やノウハウを伝える場合に使われます。コミュニケーションは一方的で、部下の営業スキルアップに役立ちますが、受動的になりやすいという弱点もあります。

一般的なコーチング

一般的に「コーチング」とは、相手への問いかけを通して本人に気づきを与えて成長をサポートする手法を指します。一方的なコミュニケーションである「ティーチング」とは異なり、対話を通して質問や承認をすることで、相手が自ら答えへと辿りつくように促します。
「上司と部下」のような上下関係ではなく、コーチングをする側とされる側はフラットな関係です。本人が主体的に選択・決断することで、より高いモチベーションを維持できます。

営業コーチング

営業コーチングも、上記で述べたコーチングと同様に、営業チームのメンバーとマネージャーは対等な関係にあります。メンバー個人が主体となり、マネージャーや上司からの働きかけを受けながら、自分で考えて目標達成に向けて動くように促す手法です。主体的に考え行動できる自主的な人材が増えることで、チーム全体の営業力や活力がアップするというメリットがあります。

ティーチング、一般的なコーチング、営業コーチングの違い

営業コーチングの進め方

それでは、営業コーチングを実際に行う際の進め方を見ていきましょう。

営業コーチングの進め方

1.現状分析

メンバーの抱えている不安や悩みをヒアリングして、現状分析を行います。メンバー本人が自分の言葉で伝えるプロセスを通じて自分自身の状況を整理でき、課題や強みの把握に役立ちます。ヒアリングでは、高圧的な態度を取ることなく、相手が発言しやすい状況で丁寧に聞くことが重要です。

2.改善策の決定

現状分析を通して発見した課題に対する解決策や、強みのさらなる強化などの改善策を考えます。基本的にマネージャーはメンバーが自力で判断するためのサポートに徹し、適切なタイミングでアドバイスのみを行いますが、状況によっては、ティーチングの要素を取り入れて具体的な案を提示する必要もあります。

3.能力強化策の提示

営業コーチングを実践していく中で、メンバーの強みやスキルを分析し、さらなる強化に向けた策を提示することも重要です。よりステップアップするためのポイントを伝えることで、モチベーションの維持や自主的な行動促進につながります。ここでも、コーチングを実施するメンバー個人の能力や状況次第では、ティーチングとコーチングの併用を検討すると良いでしょう。

営業コーチングを進める上でのポイント

ここでは、営業コーチングを効果的に行う上での、4つのポイントを紹介します。

会話の準備

営業コーチングでは、マネージャーとメンバーのコミュニケーションが何より重要です。コーチングを開始する前に、メンバーの現状をしっかりと理解しておきましょう。事前に正確な情報を把握しておくことで、スムーズにコーチングが進められます。

関係の確認

コーチングにおいては、双方の間に信頼関係があることが前提となります。
メンバーが聞く耳を持たなければ有効なコーチングは実施できません。
業績管理の場とは明確に区別された、メンバーが安心してコーチングを受けられる場を設けましょう。

期待すべき行動の理解

メンバーに対してどのような行動変容を期待しているかを明確にして臨みましょう。達成すべき目標や理想像との差異から、どのような行動をとってほしいのか、理由とともに的確にメンバーに伝えられるよう準備しておきます。

変えるべき行動の明確化

メンバーが変えるべき行動についても、わかりやすく伝えられるよう事前に準備することが大切です。なぜ変える必要があるのか、という客観的な理由と、変化により得られるメリットをあわせて提示すると、メンバーが納得しやすいでしょう。

新しい行動の組み込み

営業コーチングは長期的に取り組むことで、効果が発揮できる手法でもあります。単発的な対策で終わらせないよう、新しい行動の組み込みを行いましょう。定期的なイベントとして続けることも効果的です。

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営業コーチングは、メンバーの自発的成長を促すための効果的な手法です。マネージャーがメンバーと対等な立場で問いかけやヒアリングを行い、意見やアイデアを受け入れることや、自ら考え判断や行動ができるよう支援することが重要です。 「営業サプリ」では、プロの講師から営業コーチングのノウハウを学ぶことができます。営業チームの成長やマネジメントに特化した「営業サプリ」の利用を、ぜひご検討ください。

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この連載の監修者

茂木 慎司

茂木 慎司 顔写真

株式会社シー・ブリッジ・コンサルティング 代表取締役。1985年、慶應義塾大学法学部卒業。同年、株式会社リクルート入社。 企業の人材採用支援事業に配属。特に国内を代表する超大手企業の「新卒・中途採用」のプランニングから実行支援を中心に担当。その後、 複数のマーケティング支援事業の責任者を歴任。同時に企業の「営業組織強化コンサルティング事業」の新規立ち上げを担当。2005年に独立し、現在は主に「企業の営業組織力強化およびそれに付随するマネジメント強化」のコンサルティングサービスを提供している。

茂木慎司

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