メンバーへの目標の伝え方
すべての営業メンバーが、自分の目標数字の達成に向けて責任感を持って取り組んでくれたら、こんな心強いことはない。達成意欲さえ持っていてくれたら、あとは効果的な手法を教えればよいからだ。一方、リーダーが困ってしまうのが、目標達成意欲を感じられないメンバーへの対処法だ。今回は、そんなメンバーへのコーチング方法についてお伝えしたい。
ちょっと極端な例に見えるかもしれないが、実際に私が何度も出くわしたことがあるやりとりだ。
営業リーダー「A君、今月も残り1週間だけど、目標達成まであといくらだっけ?」
営業メンバー「えーと、ちょっと待ってください…」と資料を探し始める。
営業リーダー(おいおい、自分の数字の話だぞ。なぜ、すぐに答えられないのかな…)
営業リーダー「その前にA君、自分の月間目標数字は分かってる?」
営業メンバー「えーと、ですね…」と目が泳ぎ始める。
営業リーダー(コイツ、やる気ないな!)と、心の中でつぶやく。
いや、口に出してしまうリーダーもいるかもしれない。
リーダーがそうつぶやきたくなる気持ちは、痛いほど分かる。
ただ、メンバーの根本的な仕事に対する姿勢や、やる気を疑う前に、ひと呼吸入れて、「なぜA君は、そうなってしまうんだろう?」と、その現象に焦点を当てて欲しい。
“ヒト”を疑うのではなく、“コト”に疑問を持つのだ。
自分の人間性を否定的に見る相手とは、当然ながら心を閉ざし、距離を保つようになる。
そうなると、その原因究明や対処策をメンバーと一緒に考えることができなくなるのだ。
もちろん、原因は様々な場合があるが、一般的には次の2つが多い。
1.従事している仕事自体に興味関心が無くなってきている。
この場合は、改めてメンバーに対するコーチングを行い、本人のモチベーションの源泉になる部分と仕事内容を紐づけ、仕事の意味づけを行う必要がある。
2.目標数字にリアリティがなく、達成イメージがわいていない。
私の経験ではこの原因の方が多い。実際に私が駆け出しの営業メンバーだった時もそうだった。
目標数字 → 数字を埋めるための商談案件 → 商談案件を創り出すための活動
この3つがつながっていないのだ。
こんな場合は、「達成シミュレーション表」(図)をコーチングしながら一緒に作成することをお勧めしたい。
詳細は、営業目標の達成を促す「営業達成シミュレーション」と「アクションプラン」を立てる方法を参照してもらうとして、この図に示しているものは、かなり達成イメージができているもので、A君のようなメンバーの場合は、まばらに数字が埋まるだけで、ほとんどが空欄になるはずだ。
まずは、この状況を見える化し、メンバーと一緒に向き合うのだ。
そして、どんな規模の案件を、どのタイミングで受注すれば数字が埋まっていくのか、そのためにはどんな活動をしなければならないのか?
このような問いかけをメンバーにしながら、今日からできるアクションに落とし込んでいくことが重要だ。
つまるところ、
といった、「商談案件を創り出すアクション」になるはずだ。
このような地道な活動を促し、支援することで、徐々に図の下段部分「案件一覧表」が埋まってくるはずだ。すると、上段の集計数字が埋まりはじめ、目標数字の達成にリアリティがでてくるのだ。
この達成シミュレーションをメンバーが自力でできるようになれば一安心だ。
イラスト:室木おすし
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