最近、「ロジカルシンキング」という言葉をよく耳にするようになったのではないでしょうか。「ロジカルシンキング」は「論理的思考」と訳され、ビジネスに大きなメリットをもたらすとして注目されています。もちろんそれは営業パーソンにとっても同様です。ロジカルシンキングを身につけることは、お客様への提案の精度向上や提案力強化につながります。
今回は、ロジカルシンキングの意味、学ぶメリット、身につける方法について解説します。
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ロジカルシンキングとは、冒頭で述べた通り「論理的思考法」という意味で、事実と証拠に基づいて筋道立てて情報を整理し、意思決定を行うことのできる能力のことです。ロジカルシンキングを使うときは、事実・証拠を見て、それに基づいて考えを進めていきます。
ロジカルシンキングとクリティカル・シンキングは、似て非なる概念です。「クリティカル」=「批判的」と訳され、その言葉の通りある考え方に対してさまざまな解釈を取り入れ、批判的に物事を考える思考法です。
異なる視点に立ち、どれが最も正しいかを判断する考え方とも言えます。
ロジカルシンキングを身につけると、さまざまなメリットがあります。
ロジカルシンキングの大きなメリットは、分析力が向上することです。ロジカルシンキングを使うということは、ある事実に基づいて客観的に判断をすることです。それにより分析力を高めることにつながるのです。
論理的思考のもう一つのメリットは、課題解決能力が向上することです。分析力が向上することにより、原因を改名し問題解決の糸口を見つけようとする力が向上します。
自分の考えや相手の考え方を論理的に把握することができるようになるため、プレゼンテーションや説明に正確性がまし、説得力が増します。
論理的思考には、大きく分けて「帰納法」と「演繹法」の2つの方法があります。
帰納法とは、具体的なことから一般的なことへと推論する方法です。つまり、それぞれの具体的な事例を観察することから始めて、それを説明する一般的なルールを抽出して導こうとする考え方です。
例)
具体例①:自動車メーカーA社がこの商品を買った
具体例②:自動車メーカーB社がこの商品を買った
具体例③:自動車メーカーC社がこの商品を買った
→結論:この商品は自動車メーカーに売れやすい商品である
注意点としては、例外が起こりうることです。帰納法を活用するには、元となる例の質や量が大切になります。
一般的なものを観察された具体的なものに結びつけて推論していく方法で、三段論法とも呼ばれます。
一般論:この商品は自動車メーカーに売れやすい商品である。
観察事項:A社は自動車メーカーである。
結論:この商品はA社にも売れやすい商品である。
といった具合です。
前提となる一般論が誤っていると正しい結論が導かれない点には注意が必要です。また、演繹法は複数の事業を関連づけて結論を導くため、この結びつきが無理のない者である必要があります。
MECEは「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略で、「漏れなく、ダブりなく」と訳します。物事を考える時に、それを構成する要素を網羅しつつ、かつ重複しないようにする考え方です。
それらを足したり掛け合わせたりしたときに100になるようにすると考えるとシンプルです。
ここでは最も人気のある2つのフレームワーク、ロジックツリーとピラミッド構造について説明します。
ロジックツリーは、ある「問い」に対し、それを構成する要因や解決策をツリー状に示していった図です。問題解決や意思決定に役立てることができます。
ロジックツリーを作成するには、まず、「問い」を特定することから始めます。次に、その問題の原因となるさまざまな要因を分解し、順番に書き出していきます。
例えば、あなたが「組織の営業成績=売り上げを上げる方法」を考えようとしているとします。主な問いは、「売り上げを上げるには?」です。この問いに対するアプローチを以下のような形で分解して考えていきます。
この出てきたアプローチから優先順位を決めて取り組んでいくことで課題解決につながっていきます。”
ピラミッド構造とは、ある結論とそれを支える主張や根拠をピラミッド型に示した図です。自分の主張を強化して説明したい時に使うことができます。
例えば、「今期の自社の営業部はA業界への営業に注力するべきだ」という結論を提示したいと考えいてるとします。それに対して、根拠を繋げていくと下記のようにになります。
それぞれの要素に対して根拠を提示することができるので、説得力が増し、提案や報告が相手に伝わりやすくなります。
ロジカルシンキングを身につけるためには、次のような点を意識することが重要です。
論理的思考を身につけるために最も重要なことの一つは、問題を細かく分解することです。また、そうすることで、問題をよりよく理解し、解決策を見出すことができます。
この分解を行う時には、先ほどのMECEの考え方各フレームワークが役立ちます。
「なぜ?」と問うことは、論理的思考を身につけるための素晴らしい方法です。この質問をすることで、問題の根本的な原因を見つけることができるようになります。根本的な原因が分かれば、解決策も見つけやすくなります。
論理的に考えようとするとき、複数の視点から考えることも大切です。そうすることで、問題をより深く理解し、解決策を見出すことができます。
ロジカルシンキングは営業パーソンにとってもみにつけることで大きなメリットのある能力です。ぜひ、この記事をきっかけにまずは身近なところから「論理的に」考えることを始めてみましょう。