リクルートの営業はどうスゴイのか?仕事内容と受け継がれる6つのスキルと4つのスタンス

リクルートは昔から営業力が高いと言われています。その営業ノウハウやスキルは、すべての営業パーソンにとって大いに参考になるものです。そのため、部下に対してリクルート流の営業を身につけて欲しいと願っている、営業部のリーダーやマネージャーは少なくありません。
今回は、リクルート流の営業は具体的に何がすごいのか、その特徴的な点をご紹介します。

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リクルートの営業はどうスゴイのか?受け継がれる4つのスタンス

リクルートの事業領域と営業体系

リクルート流の営業について理解するためには、リクルートの事業について知ることが大切です。まず、リクルートの事業領域や営業体系について見ていきましょう。

リクルートの事業領域

リクルートの事業領域を大きく分けると採用支援系と販促支援系の2つがあります。
採用支援系とは主に下記のような会社のことです。

  • リクルートキャリア
  • リクルートメディカルキャリア
  • リクルートジョブズ
  • リクルートスタッフィング

たとえば、リクルートメディカルキャリアは日本の医療を元気にするというコンセプトをもとに、医師や看護師、薬剤師の求人について専門的に扱っている会社で、医療業界で働く人を応援しています。求人サイトの運営を行っており、登録した人の就職・転職のサポートが主なサービスです。
リクルートの採用支援系の企業が運営しているサイトは、就職・転職のサポートにおいて認知度が高いため登録者が多く、求職者から高く評価されています。また、登録している企業の数も多く、採用を効率よく進めることができると評判です。

販促支援系の企業には次のような会社があります。

  • リクルートライフスタイル
  • リクルートマーケティングカンパニー
  • リクルート住まいカンパニー

たとえば、リクルートライフスタイルでは、暮らしを豊かにするためのさまざまなメディアの運営を行っています。ホテルや飲食店、美容院などの検索や予約ができるサイトを運営しているのが特徴です。サイト上には、生活を便利にしてくれる豊富な情報が掲載されているため、リクルートの販促支援系の企業が運営するサイトは多くの利用者がいます。

各事業領域における営業体系

それでは、それぞれの事業領域において、どのような営業が行われているのかをご紹介しましょう。

採用支援系

採用支援系の営業は、求人広告営業と人材紹介営業の2つに分けることができます。いずれも営業の対象となるのは、企業の採用担当者や経営者、役員などです。これらのターゲットに対して提案を行い、採用活動をサポートしています。

求人広告営業においては、フロム・エーやリクナビNEXTといった自社の求人媒体に求人広告を掲載してもらうことが最終目標です。リクルートの営業パーソンは、自社の求人媒体の強みやサポート内容、掲載するメリットなどをプレゼンテーションすることで多くの求人広告を獲得。広告原稿の企画や制作ディレクションなども担当し、マルチに活躍しています。

人材紹介の営業においては、まず、人材紹介サービスの活用を提案するところからスタート。そして、企業の採用要件を洗い出してターゲットを確定し、求人票の作成から社内のキャリアアドバイザーに対する求人広報を行います。さらに、応募者を企業に紹介して選考フローのフォローを行い、応募者が企業に入社して採用成功に至るという段階までしっかりサポートするのが営業の仕事です。

販促支援系

販促支援系の営業では、それぞれのメディアごとにターゲットとする企業が存在しており、それらの企業に対して提案を行います。たとえば、ホットペッパーの場合は飲食店、ゼクシィであればブライダル、SUUMOであれば不動産業界の企業が当てはまります。

営業パーソンの目的は、集客支援に関する具体的な提案を行い、企業に実際に広告を発注してもらうことです。発注後にターゲットの選定を行い、ターゲットに対するメッセージを作り込み、実際に掲載される広告原稿の企画や制作のディレクションまで、担当の営業パーソンが責任を持って対応します。
メディアに広告が掲載されれば、サイトを訪れた人が広告をチェックして、実際に広告主のお店などに足を運ぶようになります。リクルートはこのようにして販促支援系の事業を成功させてきました。

リクルートの営業マンに受け継がれる6つのスキルと4つのスタンスとは

リクルートの営業パーソンが高い成果を出し続ける背景には、属人的なセンスや経験に頼らない“共通の土台”が存在します。それが、「6つのスキル」と「4つのスタンス」です。
「スキル」は成果を生み出すための行動や思考の型であり、「スタンス」は仕事に取り組むうえでの姿勢や価値観です。これらを新人時代から徹底的に体得し、現場で磨き続けることで、再現性高く活躍できる営業パーソンが育成されているのです。
ここからはリクルートの営業力の源泉ともいえる6つのスキルと4つのスタンスについて、詳しくご紹介します。

6つのスキル

リクルートでは、営業職をはじめとする全社員が高い価値を発揮するために必要な「6つのスキル」を定義しています。これらのスキルは、個人の成長と組織の成果を両立させる基盤となっています。

見立てる

構造で捉え俯瞰して見る力

物事を細部で判断するのではなく、全体の構造や関係性の中で捉え直す力です。リクルートの営業では、単に目の前の課題に対処するだけではなく、クライアント企業が置かれている業界構造、市場動向、組織の課題などを俯瞰的に把握し、その中で自分たちがどう価値を提供できるかを考え抜くことが求められます。このスキルを磨くことで、短期的な成果にとどまらず、顧客との長期的な信頼関係や、経営視点に立った提案が可能になります。

分析的に捉え問題を特定する力

課題の本質を正しく見極めるには、感覚や憶測ではなく、データや事実に基づいた冷静な分析が欠かせません。顧客の言葉や状況から“本当のニーズ”を読み取り、背景や因果関係をひもといて、真に取り組むべき問題を特定する力が求められます。リクルートの営業では、表面的な要望に応えるのではなく、顧客自身も気づいていないような構造的な課題を明らかにし、そこに対する解決策を提案する姿勢が重視されています。

仕立てる

筋のよい仮説を立てる力

限られた情報の中で最適な提案をするには、状況や傾向から未来を読み取り、「こうすればうまくいくのでは」という仮説を立てる力が必要です。リクルートの営業では、準備や分析をもとに“筋のよい”仮説を立て、その妥当性を実際の顧客接点の中で検証・修正していくことが日常的に行われています。この力は、スピーディーにPDCAを回しながら成果を上げるために不可欠であり、仮説思考の精度が、提案力の差となって表れます。

プロセスを作り込む力

優れた提案や戦略があっても、実行までのプロセス設計が不十分では成果につながりません。リクルートでは、営業活動を「プロジェクト」としてとらえ、目標達成までの道筋を逆算しながら、細やかな工程を設計し、着実に前進させる力が求められます。スケジュール管理、関係者の巻き込み方、成果の定義と検証方法まで含めてプロセスを設計するこのスキルは、複雑な商談や複数部署にまたがる提案など、難易度の高い案件でも成果を上げるための要です。

動かす

ビジョンを打ち出す力

周囲を巻き込み、動かしていくには、相手が共感し納得できる「目指す姿=ビジョン」を示すことが重要です。営業においても、ただ商品やサービスのスペックを説明するのではなく、提案の背景にある“なぜそれをやるのか”という意味や価値を言語化し、顧客と未来の姿を共有する力が求められます。リクルートでは、個人の思いと組織の目的をつなぎながら、顧客や社内をリードしていくビジョンの発信が、営業の成果を大きく左右すると考えられています。

人を理解し統率する力

提案活動は一人で完結するものではなく、チームや顧客、パートナー企業との連携が不可欠です。そのため、相手の立場や状況を理解し、信頼関係を築きながら、適切な役割分担と関係性構築によって全体をリードする力が求められます。リクルートの営業では、役職や立場に関係なくフラットにコミュニケーションをとりながら、人の力を最大限に引き出すマネジメント力が重視されます。これは将来的にリーダーやマネジャーとして活躍するうえでも、極めて重要な能力です。

4つのスタンス

リクルートでは、自社の社員に対して「仕事に対するスタンス」を徹底的に教育しています。新卒で入社した場合は、このスタンスを身につけるための合宿研修が行われるほどです。リクルートの営業パーソンに脈々と受け継がれるスタンスとは、いったいどのようなものでしょうか。さっそくご紹介します。

圧倒的な当事者意識

当事者意識とは、すべての物事を「自分ごと」として捉える意識のこと。リクルートでは、あらゆる業務において当事者意識を持つことが要求されます。
しかし、これは一朝一夕でできることではありません。入社した時から「あなたはどうしたいのか?」と常に問われ続けることで、当事者意識が熟成されていくのです。リクルートの営業パーソンはみな、圧倒的な当事者意識を持って顧客に向き合っているからこそ、常に顧客にとって最善の提案をすることができるのです。

考え抜く・やり抜く姿勢

営業の仕事は困難の連続であるといえます。どんなに懇切丁寧に対応したとしても、契約を得られないことがあるでしょう。また、契約を締結したあとも、さまざまなクレーム対応を受ける可能性があり、無理難題の解決を強いられる場合があります。そんな時は、誰しも投げ出してしまいたくなるものです。
しかし、すべて投げ出してしまいたいほど困難な状況になっても、リクルートの社員は、何事にも全力を尽くして事態を解決するために努力をし、決して途中で諦めることはありません。リクルートでは、あきらめずに考え抜いてやり抜く姿勢が求められ、また評価されるのです。

広く・深く学び続ける姿勢

リクルートの営業パーソンは、向上心の強さが特徴です。常に自分自身をアップデートすることを考え、さまざまな知識を広く深く学び続ける姿勢を持っています。
営業パーソンにとって、この学び続ける姿勢はとても大切です。営業に関する知識やノウハウなどはもちろんのこと、さまざまな業界の知識や動向、社会情勢や経済の状況など、豊富な知識や教養を有していることが営業活動の土台になります。常に知識を最新状態にしておくことで、中身のある提案ができるようになるでしょう。

チームとして協働を追求する姿勢

リクルート流の営業の大きな特徴は、チームとして協働することを重視している点でしょう。周囲を巻き込むことで大きな成果を上げるよう心がけているのです。
営業職は個人主義になりがちですが、1人でできることには限りがあります。そのため、より大きな成果をあげるには、周囲を巻き込み、多くの人の協力を得なければなりません。これができる人とできない人とでは、成果に大きな差が生まれます。
この、チームとして成果をあげることを大切にする営業パーソンが多いため、リクルートは成功しているのです。決して自身の力を過信せず、自分の限界を知っていることが優秀な営業パーソンの証といえるかもしれません。

リクルートの営業職では、これらのスキルとスタンスを組み合わせることで、顧客に対して最適な提案を行い、信頼関係を築くことが求められています。また、これらの能力はリクルート内にとどまらず、他の企業や業界でも通用する汎用性の高いスキルセットとして評価されています。

営業サプリではリクルート流の営業を学べる

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