営業の定着率向上のための対策とは?離職につながる理由と教え方のコツ

営業パーソンの育成に力を入れているのに、定着率が低くて困っているというケースはよくあります。せっかく営業職で採用したのに次々と辞められてしまっては、会社の業績に影響を及ぼしかねないだけでなく、周囲のモチベーションも下がりかねません。
営業職はやりがいのある仕事ですが、人材の定着率は低い傾向があります。それはなぜでしょうか。その理由を知れば、適切な対策を取ることができ、定着率を改善させられます。今回は、営業の定着率が低い原因と対策について解説しましょう。

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営業の定着率向上のための対策とは?離職につながる理由と教え方のコツ

定着率とは

定着率とは、社内に残っている社員の割合のことです。明確な定義があるわけではありませんが、基本的に定着率は年単位で計算されます。入社してから長期間が経過して定着率が高いというのが、会社にとって望ましい状態です。せっかく育成した人材が離職すると、新しい人材を採用して一から育成する必要があり、莫大なコストがかかります。定着率を上げることができれば、育成コストや採用コストを削減することにつながるでしょう。
定着率は会社によって大きく異なり、中小企業のなかには、就業1年以内の定着率が5割を切るケースも決して珍しくありません。また、定着率は業種や職種によっても異なり、なかでも営業職は、定着率の低さが問題視される職種と言えます。

なぜ営業職は定着率が低いのか

それでは、なぜ営業職の社員はすぐに辞めてしまうのでしょうか。ここでは、考えられる原因をいくつか紹介します。

ノルマが厳しい

営業の仕事はノルマが設定されているのが普通です。月ごとに何件の新規契約を取ってこなければいけない、○○万円以上の契約を取らなければいけないと具体的な数字でノルマが設定されます。なかには、実現が難しいノルマを設定されることもあるでしょう。また、営業パーソンとしての教育をほとんど受けていない状態で、厳しいノルマを課されるというケースも少なくありません。
ノルマを達成するための長時間勤務が常態化してしまうと、徐々に心身をすり減らしていきます。残業続きの生活が続くことで健康に影響が出てしまい、辛くなって営業の仕事を辞めてしまうこともあります。さらに、ノルマを達成できず上司から叱責される、営業成績が張り出されたことでノルマを達成できなかったことが周囲に知られるなど、肩身の狭い思いをしたという人は数多くいます。

給料が安い

営業職は給与が歩合制で決められることも多く、ノルマを達成して優秀な成績をあげれば高収入がもらえます。しかし、ノルマを達成できず営業成績の低い人は、昇給がないばかりか給料を減らされてしまうこともあるでしょう。ノルマを達成できないペナルティとして、ボーナスがカットされるケースもあります。
優秀な営業パーソンであれば給料を上げていくことが可能ですが、実現できるのはごく一部。多くの営業パーソンが、給料が安い・上がらないことに不満を感じて仕事を辞めていきます。また、中小企業の場合、営業職でも歩合なしというケースがあり、この場合はかなり給料が安くなるでしょう。きついノルマを達成しても給料に反映されず、モチベーションは大きく下がります。

成績をあげる方法がわからない

営業職は基本的にノルマ重視の世界であり、より多くの契約を取ることが求められます。しかしながら、営業職のサポートがしっかりできている会社は少なく、営業のやり方は個々の社員に完全に委ねているという会社も少なくありません。どうすれば営業成績をあげることができるのか、その方法を会社が教えてくれないというケースが多いのです。
効果的に営業成績をあげる方法を、自分で導き出せる人はそう多くいません。ほとんどの営業パーソンが、どうすれば成績をあげることができるか分からないまま、自己流の方法で営業をしています。一生懸命取り組んでも思ったように成績があがらず、その結果、営業の仕事が嫌になって辞めてしまうことが多いです。

対人関係によるストレス

営業の仕事には、さまざまな対人関係によるストレスがあります。 たとえば、顧客との関係でいえば、多くの営業職が、顧客の機嫌を損ねて契約を打ち切られることがないように神経をすり減らしています。そのなかで、無理難題を要求されて対応できず、途方に暮れてしまう営業パーソンもいます。言いがかりのようなクレームをつけられることも珍しくなく、クレーム対応に追われることもあるでしょう。このように、常に顧客の機嫌を伺うことに神経を使うため、精神的にとても疲れてストレスが蓄積していきます。
また、ノルマに関してプレッシャーをかける上司との関係がストレスになることもあります。ノルマを達成できずに叱責されたり、嫌味を言われたりすれば、精神的に疲れてしまいます。
さらに、顧客や上司からのハラスメントに悩まされる営業パーソンも少なからずおり、特に、女性の場合は露骨なセクハラを受けても、相手が顧客や上司のため強く拒否することもできず悩んでしまうケースもあります。

どうすれば営業職の定着率をあげることができるのか

リーダーやマネージャーにとって、営業職の定着率があがらないというのは大きな悩みです。そこで、前述した4つの原因をふまえて、営業職の定着率を上げるポイントをご紹介します。

社員のモチベーションを上げる

営業職の仕事はモチベーションが下がりやすい要素が多いため、部下に対して褒めることを心がけましょう。たとえノルマを達成できなくても、営業活動のなかで改善された点があれば、そのことを大きく取り上げてしっかりと褒めることが大切です。「褒めて伸ばす」を心がけるだけでも、部下のモチベーションはぐっと上がります。
表彰制度などの社内制度を整備して、営業パーソンの頑張りを評価する体制を整えることも必要です。リーダーやマネージャーは「営業の仕事を頑張れば報われる」という仕組み作りに注力しましょう。

定期的にガス抜きをさせる

多くの会社では、営業パーソンが自身の不満を上司などに伝えることができない環境になっています。これでは、蓄積した不満を発散することができず、最終的に会社を辞めてしまうことになりかねません。そこで、定期的にガス抜きの機会を与えることが大切です。
たとえば、定期的に上司が部下と面談をする機会を設けてみましょう。そこで、部下から営業の仕事に関するさまざまな不満や悩みなどを聞き出すのです。そうすれば、部下は不満を打ち明けることができ、ストレスを発散させられます。部下からの不満などに積極的に対応することも、リーダーやマネージャーの大切な仕事です。

営業のマニュアル化を行う

社内に営業のノウハウが蓄積されていない会社は多く、優秀な営業パーソンがいたとしても、その営業活動のコツやノウハウなどを共有する環境が整備されていません。これでは、大部分の営業パーソンは営業の仕事を手探りで行うことになります。営業職は個人で活動しがちですが、今の時代はチームとして情報を共有することが必要です。
そこで、優秀な営業パーソンからコツやノウハウを聞き出し、それをマニュアル化しましょう。こうすれば、チーム内で効果的な営業活動の情報を共有できるようになります。マニュアルを参考にすることで、新人を含めた多くの営業パーソンが成績をあげられるようになるでしょう。

プロから営業のノウハウを学ぶ

社内に営業のノウハウが蓄積していない場合は、外部の研修サービスを活用してもよいでしょう。営業のプロによる講習を受けさせることで、成績をあげる方法を学ばせることができます。研修サービスを活用する場合は、定期的に実施することが大切です。定期的に実施してこそ、営業に関するさまざまな知識やスキルを蓄積することができます。研修を受けたすべての営業パーソンが、身につけた知識やスキルを活かすことでチームの営業成績も自然と上向きになるでしょう。
営業向けの研修サービスは、講師を招いて行う研修や通信教育、e-ラーニングなどラインナップが幅広いため、自社に合ったものを選ぶことが大切。たとえば、オンライン研修の営業サプリは、営業スキルを効率よく学べるよう体系化されており、新人・若手営業でも無理なく取り組むことができます。
それぞれのレベルや立場に合わせて外部の研修サービスを選べば、効果的な教育を行うことができるでしょう。

まとめ

営業職の定着率が低いということは、採用や育成のコストが余分にかかっている状態で、会社にとって望ましい状況ではありません。営業職の定着率が低いのは、ノルマの厳しさや人間関係のストレス、給料の安さなどが原因です。これらを解決するために、表彰制度を設けたり、営業のマニュアル化を行ったりすることで、定着率をあげていくことができるでしょう。さらに、外部の研修サービスを利用して、営業のプロからノウハウを学ばせる方法も効果的です。本記事を参考に、営業職の定着率改善に向けた対策をたて、実践していきましょう。

この記事の情報は公開時点のものです。

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