営業教育3つの鉄則。ロープレ・同行・フィードバックで適切指導

営業のリーダーやマネージャーが一度はぶつかる壁、それは人材育成の難しさでしょう。
時代や営業スタイルの変化などから、昔のような「見て覚えろ」という指導方法は通用しなくなっています。優秀な営業パーソンを育てるには、正しい営業スキルを効果の高い方法で教えなければいけません。同時に、リーダーやマネージャーには、なかなか結果の出ない新人や売り上げが伸び悩んでいるメンバーを成功に導く指導力が必要です。
本記事では、一般的な営業教育の形態から効果的な指導方法、部下を指導する際の注意点について解説します。営業教育に悩む方はぜひお読みください。

営業教育を効果的に行うために押さえておきたいポイント

一般的な営業教育の形態

まず、どの企業でもよく行われている4つの営業教育の形態をご紹介します。

先輩に同行

新人営業が先輩営業の商談に同行し、実際の商談の場を体験するというものです。
言葉遣いや立ち居振る舞いといった基本的なマナーから、課題や要望の聞き取り方、顧客とのコミュニケーションの取り方、商品の説明の仕方や営業資料の活用方法などを、実際に目で見て学びます。また、商談の場に立ち会うことで雰囲気に慣れることができ、顧客の反応を間近で見ることで多くの気付きが得られる点も営業同行のメリットです。
同行前には商品知識や資料を確認するなどしっかりとした事前準備を行い、同行後は商談内容を整理して疑問点や不明点を先輩営業に確認することで、より効果的な営業同行となります。

Off-JT

Off-JTは現場を離れて行われ、営業活動に必要な知識や考え方、基礎的なスキルを座学で学びます。「営業は慣れが大事」「実践あるのみ」という考え方も間違ってはいませんが、それだけで成果を出すことはできません。Off-JTで商品知識や営業の方法論をしっかり学んでおくことは大切です。
商品知識をしっかりインプットすることで自信を持ってお客様と接することができ、根拠に基づいた方法論を学ぶことで正しい方向に商談が進んでいるかを判断する基準ができます。また、見積書や請求書の作成方法、発注処理、納品方法、営業報告といった社内業務や資料作成のほか、契約に関する法的な知識などを習得するにもOff-JTが有効です。

OJT

Off-JTで基礎的な知識をインプットし、営業同行にも慣れてきた段階で行われるのがOJTです。先輩営業から顧客を引き継ぎ、実際の営業活動を通して経験を積んでいきます。
OJTにおいては、新人や若手を指導するリーダーやマネージャーが、訪問先の選定や営業活動のアドバイスを行うほか、商談の進め方についても指示します。時には営業に同行して説明の仕方や商談の流れなどについてフォローし、同行後は営業活動のフィードバックを行います。同時に、新人や若手自身に営業活動の反省点や改善すべきポイントなどを考えさせ、自ら考える習慣を身につけてもらうことも大切です。

ロープレ

商談の場を疑似体験することで営業スキルを身につけていく、それがロープレ(ロールプレイング)です。営業役と顧客役に分かれて実際の商談に近い場面を演じることで、資料を提示するタイミングやコミュニケーションの取り方、商談の進め方などを確認します。第三者に営業活動をチェックしてもらうことで客観的に振り返ることができるほか、先輩や上司からのアドバイスや指摘された改善ポイントをもとに、何度もやり直せる点がロープレのメリットです。
ロープレを行う際は、その目的や場面、顧客像を細かく設定することが重要。明確な目的や設定がなければ、ロープレは意味のない作業になってしまいます。また、ロープレ後は必ずフィードバックを行いましょう。

効果的な営業教育の方法

ここからは、新人・若手の営業教育に効果的な方法を4つご紹介します。どれも難しい方法ではありません。さっそく実践してその効果を実感してみてください。

1つの商品を徹底的に売り込む練習をする

「ドアオープナー」という言葉を知っていますか。
ドアオープナーとは、顧客に購入してもらいやすい特徴のある商品のこと。まずは、このドアオープナーだけに集中して商品知識を身につけ、ドアオープナーだけを徹底的に売り込む練習をすることで営業スキルの向上を目指す方法です。
営業経験の少ない新人営業にとって商品知識は必須ですが、最初から自社商品の情報をすべて把握することは難しいもの。最初は、商品そのものに特徴があって、セールスポイントの多いドアオープナーを取っ掛かりにするのが最適です。また、もともと売りやすい商品であることからクロージングまで持ち込みやすく、新人・若手営業の自信につながります。クロージングまで持ち込んだという成功体験を積み重ねることが、モチベーションと営業スキルの向上によい影響を与えてくれます。

ロープレで成功体験を積ませる

営業教育においてよく行われているロープレは、営業活動の一連の流れを体で覚えるもので、その目的やシチュエーションを明確にすればするほど再現性が高くなります。だからこそ、営業役もお客様役も恥ずかしがらずに本気で取り組むことが大切。名刺や資料など、実際の商談で必要なものは本番同様に準備しましょう。
また、ロープレ中に課題や改善ポイントを見つけたら、その場で中断してフィードバックを行ってください。これを繰り返すうちに少しずつ営業活動に必要なスキルが身についていきます。さらに、ロープレを通して、クロージングまでの成功体験を繰り返し積ませることが重要です。成功体験ほど営業パーソンを成長させてくれるものはありません。

顧客理解を深めさせる

先輩や上司の営業に同行させて、商談の内容を細かく記録させます。顧客が抱える業務上の悩みや課題は何か、その悩みや課題を解決するためにどのような取り組みを考えているかを把握し、顧客理解を深めるための方法です。
大切なのは、記録させるだけで終わりにしないこと。その記録をもとに振り返りを行い、商談について報告させます。顧客が抱える悩みや課題が正しく理解できているか、的確に顧客のニーズをとらえているか、顧客の悩みや課題を解決するためにどのような協力が必要と考えているかを確認してください。
ただ何となく営業に同行させるだけでは意味がありません。商談を通してどれだけ相手を理解できるか、その大切さを教える必要があります。

営業研修を受けプロのノウハウを学ぶ

IT化やグローバル化が進む現在、営業が身につけるべき知識やスキルは増えるばかり。そのすべてを内部研修で教育するのは難しいため、場合によっては外部のプロによる営業研修を活用しましょう。業界や企業特有の知識・スキルなどは内部研修で、マーケティングやマネジメントの基礎、基本的な営業手法など汎用的な知識・スキルについては外部研修でという風に組み合わせるのもおすすめです。
外部研修は、講師派遣による集合研修、通信教育、動画配信、eラーニングなど種類やコースが豊富。例えば、オンライン研修の営業サプリでは、体系化された営業スキルが学べる、新人・若手営業に最適なコースが用意されています。
外部の研修サービスを利用する際は、各社の特徴や強みを把握したうえで自社に合ったサービスを選びましょう。

営業教育をする上での3つの鉄則

営業教育において最も大切なことは、モチベーションを高めてあげることです。ここでは、部下のモチベーションを高める3つの鉄則をご紹介します。
太平洋戦争時に連合艦隊司令長官を務めた山本五十六が残した「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という名言。部下の教育に悩んだ時は、人材育成の基本が詰まったこの言葉を思い出しながら、3つの鉄則を実践してみてください。

ほめて伸ばす

1つ目は部下をほめること。特に新人営業に対しては重要です。
新人の頃は誰しも自分がやっていることや進んでいる方向に自信が持てないもの。そこでダメ出しばかり受けていては、向上心やモチベーションが下がってしまいます。一人ひとりの動向に注意し、少しでも成長したところがあれば評価してあげることが大切です。

フィードバックは具体的に

2つ目は具体的にフィードバックを行うこと。例えば「ヒアリングの仕方が良くなかった」というアドバイスをもらっても、何をどう改善すればよいのか分かりません。「相手の課題を引き出すために、こういう聞き方をしてみよう」というように具体的なフィードバックが必要です。
また、新人営業の場合、一度に複数の改善ポイントを伝えると混乱してしまうことがあります。フィードバックする際は、具体的であることにくわえて「必ずその場で、短い言葉で一つだけ」と覚えておきましょう。

上から目線にならない

3つ目は決して「上から目線」で指導しないこと。営業教育に限ったことではありませんが、まだ経験の浅い新人や若手に対して見下すような態度で接することはやめましょう。反発心を生むだけではなく、信頼関係も失われてしまいます。
部下や後輩であっても人間として対等な関係を築いて萎縮させないこと、上から目線ではなく「横から目線」でアドバイスすることが大切です。

まとめ

企業の競争力を高めるために欠かせない営業力。そして、企業の営業力を左右する優秀な営業パーソンを育成するためには、効率的かつ効果的な営業教育が必要です。
今回は営業教育の形態や効果的な方法についてお伝えしましたが、IT化やグローバル化が進む現代において、営業に必要とされる知識やスキルは膨大です。効率よく効果的な営業教育を行うためには、教育形態の違いや特徴を理解し、目的や目標に合った研修を行う必要があります。
より良い営業教育を行いたい、効果的な営業教育を行いたいという方は、本記事を参考に自社の営業教育を振り返ってみてはいかがでしょうか。

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