顧客にその場で結論を迫る方法

営業クロージングのコツとは?顧客に嫌われずその日に受注を迫る極意

営業活動のクライマックスは他でもなくクロージング。「今日、発注書を下さい」と迫れるかどうかが営業パーソンとしての未来を決める。
「そんなこと、できるわけがない」と直感したあなた。思考停止する前に、まずは「今日、発注書下さい」と言える“さも、もっともな理由”から考えてみよう。

営業クロージングのコツとは?顧客に嫌われずその日に受注を迫る極意

クロージングの本質は「今日、発注書を下さい」と言える“理由づくり”

クロージングというのは、商談の結論を迫ることであって、「それでは、よい返事をお待ちしています」等と言って帰ってきては絶対にいけない。
一見、スマートに見えても、それでは競合に勝てない。「売れる営業」の鉄則は、必ずその段になったら受注を迫ることである。相手に失礼だとか、そんなにせっついたら嫌われると思うのは痛いほどよく分かる。

だから、相手にそう思われないような「今日、発注書を下さい」と言える、さも最もな理由が必要になるのだ。
例えば、IT業界であれば、「ご存じのように今、プロジェクトが目白押しで、どこも技術者が不足しております。ですので、ご迷惑をかけないよう、まずは先行して社内の要員を確保したいと思います。正式な発注書は後日いただくとして、今日、部長から内示という形で意思表示をいただけましたら、要員確保の社内手続きに入りたいのですが…」といった流れだ。

また、希少性を理由にするなら「在庫があと3台となっておりまして、今週中に発注書がいただけるようでしたら、私の方でキープしておくようにいたしますので、仮発注の手配をかけてよろしいでしょうか」という定番のクロージング方法がある。
メーカーであれば「納期」を口実にすることも多い。
在庫をもつことができる大量生産品ではなく、一品料理の注文品、特注品であれば、例によって「手前どもの勝手な理由で恐縮ですが、工場の生産スケジュールが立て込んでおりまして…」という内示や発注を促す理由が使える。

「今日発注書ください」といえる理由を準備することのイメージ図

同様に広告会社や出版社のように「締め切り」のあるビジネスは、その締め切り日、時間に間に合わなければ広告掲載などができなくなってしまうので、「今日の午後6時が締め切りになりますので、今回は是非、私どもにお手伝いをさせて下さい」と言い切れるかが明暗を分ける。いとも簡単に「じゃ、今回はお願いするか」とすんなり受注できてしまう感触を是非、あなたにも味わって欲しい。

クロージングで逆転されるのは機会損失

営業で最も重要なのは、「クロージングで相手に結論を迫れるかどうかだ」と主張する営業マネージャーは少なくない。
営業パーソンにとってはちょっと極論に思えるこの弁も管理職目線、経営者目線でいうと至極最もな話だ。

それというのも、しっかりアプローチ準備をして、ヒアリングでもかなり突っ込んだところまで課題やニーズを把握でき、更には自社の関係部門も巻き込んで提案し、価格でも十分戦えるレベルだったのに、最後のクロージングの段になって競合に負けてしまうケースというのは、実は受注する件数より多いのだから。

価格や提案内容で劣っていたのなら“あきらめ”もつくが、提案内容も価格も最初は自社が優位だったのに、受注したライバルのほうがクロージングで一枚上手だったために失注したでは、すべてが機会損失になってしまう。
もったいない以外の何ものでもないが、現実はこうして逆転負けを喫しているケースが少なくない。
逆に言えば、これまでの逆転負けの率を2割削減できたらどうだろう、あなたの業績の達成率は大幅に向上するはずだ。

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この連載の著者

エマメイ先生(大塚 寿)

1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、「オーラの営業」(Nanaブックス)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など。

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