売れる営業がやっている社内営業の方法

売れるために関連部門を味方につける~社内営業がうまくいく3原則

どの業界でも、継続して高い業績を上げている営業パーソンには共通点がある。その1つは顧客への営業だけでなく、社内営業にもかなりのウエイトをかけている点だ。
社内営業というのは営業パーソンから見ると、技術部門、製造部門、設計部門、サービス部門、業務部門、スタッフ部門、本部といった関連部門との社内コミュニケーションや社内調整を指す。
今回はその社内営業の目的と具体的な方法について共有していきたい。

売れるために関連部門を味方につける、社内営業がうまくいく3原則

関連部門を味方にする

社内営業の目的は、会社の各部門が持つリソースを自身の営業活動に有効に活かせるようにする協力体制の構築である。
要は営業の後方支援部門、後工程を担う部門を味方につけて、好業績につなげていくというのが売れる営業の流儀だ。

そもそも営業の仕事というのは、営業部門だけで完結できるケースは滅多にない。
提案書や見積もりでさえ技術部門や設計部門が作る会社もあれば、受注後は施工部門、製造部門などがその案件を引き継ぎ、複数の部門を経由して納品、検収、請求、入金まで完結させるケースがほとんどだ。
だから、その業務の流れの中で営業パーソンのせいで情報が共有されていなかったり、報告や連絡が遅れただけで業務が滞ったあげくに「使えない営業」という烙印を押され、信用を落としてしまう。

例えばIT業界であれば、営業の途中からSEが同行し、提案や見積もりも営業ではなくSEが行う企業の方が多い。
しかし業界特性として、優秀なSEはトラブルプロジェクトの火消しに投入されているケースが多く、更には営業に同行できるSEの数も限られているため、なかなか案件を優位に進めることができない。
そんな時、技術部門に一目置かれている営業パーソンは優先的に優秀なSEを例外的にアサインすることができるのだ。
逆に、顧客からのヒアリングすらできていない段階からSEに依存し、おんぶに抱っこの状態で、その案件がどうなったかさえ伝える配慮のない営業パーソンは、SE部門から軽視され、同行依頼さえ蔑ろ(ないがしろ)にされるようになるので業績は低迷してしまう。

社内営業の3原則

では、社内営業を円滑に進めるには、どうしたらいいのか。
守りたい基本が3つある。

社内営業の3原則

まずは、「社内営業」というその名が示すように、相手を顧客とみなした行動を取ること。
具体的には心の置き方として、配慮、敬意を持った上での言動をするのが鉄則。
更には報告、連絡を端折らず、情報共有、意思疎通を心がけること。
“最前線で戦う営業パーソンを支援するのは当たり前”という態度や言動は最悪の結果しか生まないので注意しておきたい。

2つ目は常に「貸し借り」のバランスに気を配ること。
無理な納期調整や価格対応、変則対応に応じてくれた場合などは「当たり前」とは思わず「借り」としてカウントしておくこと。
「借り」の残高ばかりが増え、「貸し」とのバランスがゼロにならない期間が続いたとしても、その「借り」を返す場面は必ずやってくるので、その意識を持ち続けることのほうが重要になる。それが相手への感謝や配慮となり、良好な関係の源泉となるのだ。
その「借り」を返す場面はトラブル時にやってくることが多い。その際、矢面に立ってその人のために汗をかくこと、そのトラブル解消のために動くことによってその「借り」は解消されることになる。

そして、3つ目は日常的に他部門とネットワークを築き、社内コミュニケーションを密にすることである。
いざとなった時に親身になって助けてくれる社内人脈をどれだけ構築できるかが、コンスタントな好業績維持のポイントとなる。
社内人脈というのは、相手にもメリットがないと広がっていかないので、競合情報や他社が今何をやっているのかといった情報を伝えたり、営業のリソースを用いて何かのプラスを生み出すような動きをして良い評判を得て欲しい。
営業の後方支援部門、後工程を担う部門は営業パーソンをえこ贔屓(えこひいき)する。
なるべく「貸し」の残高を増やす動きをして関連部門からの信頼を勝ち得て欲しい。

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この連載の著者

エマメイ先生(大塚 寿)

1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、「オーラの営業」(Nanaブックス)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など。

大塚寿

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