顧客と社内に迷惑をかけない納品調整
惜しい営業と売れる営業の顕著な違いは「社内営業」に表れる。
短納期対応や急な仕様変更、度重なる設計変更で負担を強いられるのは営業部門ではなく、実際の納品や施工を担当する技術部門や工場、施工部隊であるため、営業は顧客対応と社内営業とを両にらみで進めていかなければ業績は上がらない。
今回は顧客と社内に迷惑をかけない納期調整の本質について共有したい。
結局、顧客にも、社内にも迷惑をかけない納期調整の極意は納期調整が始まる前の「日常」にある。
仕事を通した顧客への配慮、社内への配慮、気配りの積み重ねの結果として蓄積された自身の「信用力」と過去の「貸し」が、いざという時の「短納期対応」「例外対応」を是認してくれる担保となるというのが現実だ。そうでもなければ火中の栗を拾う人はいない。
象徴的な事例から紹介するが、「社長賞の法則」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは某大手IT企業の技術部門で用いられていた表現で、大型受注をあげた営業パーソンがちょうど社長賞の表彰を受けるようなタイミングで、そのプロジェクトがトラブルで大炎上することを揶揄している。
プロジェクトマネージャーからしてみると、トラブルになるプロジェクトには必ず、要員に無理があったり、スケジュールに無理があったり、コストに無理があったりなど、営業の段階で無理があるケースがほとんどだという。
要は、競合との厳しい受注競争の中で無理くり受注したしわ寄せが、納品を担当する部門を直撃するというわけだ。
なので、納品や施工を担当する部隊は赤字になったり、自部門の業務に支障をきたしたりするリスクを回避するために、常に営業パーソンを格付けして対応を変えている。
防衛本能ともいえる営業パーソン格付けだが、代表的な基準は以下の3点だ。
ここが一番大きい。いざとなった時、つまりはトラブル時の窓口として矢面に立って交渉をしてくれる人物かどうかだ。
具体的には、トラブルの状況報告から、復旧の見込み、トラブル処理に必要なコスト負担に至るまで、顧客との窓口として主導的な役割を果たせるかどうかが評価されるポイントとなる。
「営業部門の仕事は受注することなので、受注後は納品部隊の責任」と割り切ってしまう営業パーソンも散見されるが、原理原則論から言えば、営業の仕事というのは受注後の納品・施工、検収・請求、入金と、更にその後のアフターフォローまでが業務範囲なので、やはり独りよがり感は否めない。
そういったスタンスでいると結局、後方支援部隊から総スカンを食ってしまうので、業績自体も低迷してしまうことが少なくない。
ひと言でいうと「どっちを向いている営業パーソンか?」ということになるが、顧客に言われるがままに、無理難題を技術部門や製作部門に丸投げする営業パーソンは忌み嫌われる。
会社を代表して顧客と交渉しているはずなのに、逆に顧客を代表するような立場では本末転倒になってしまう。価格交渉や納期調整も自社に有利になるような交渉ができない営業パーソンの仕事は、他の案件がない限りは優先されることはない。
顧客に対しても、社内営業の場面でも過去の「貸し借り」のバランス感覚のない営業パーソンも軽視される。
同行営業の依頼の時は平身低頭なくせに、その案件がその後どうなったのかさえフィードバックしない営業も低評価だ。
本来は技術的なところも営業パーソンが勉強して、自分で顧客に説明すべきなのに、まだ案件化すらしていない段階から、技術部門などに同行営業を依頼し、しかも、その後の進捗も全く伝えてこない営業パーソンも「低レベル」と判断され、協力を惜しまれるようになってしまう。
これらの格付けが低い営業パーソンの仕事は後工程では、主力が担当しないことはもちろん、できれば避けたい案件になるので、融通を利かせてもらえないどころか、他の案件を優先させる対象となるので注意したいし、絶対にあなたがそうなってはならない。
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ここで述べているノウハウやスキルは、読んだだけでも充分勉強になります。しかし、これだけでできるようになるわけではありません。実際の営業場面で「できる」ようになるためには『実践とフィードバック』が必要になります。
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