質を高めるための量の重要性を学ぶ

営業の質を高める上で、行動量(営業量)を増やす重要性とは?

「営業は量で決まる」。何が決まるかというと目先の業績も、これからの営業パーソンとしての人生も決まってしまうと言ってもいいくらいだ。
なぜなら、営業の「質」は「量」からしか生まれないからだ。

営業の質を高める上で、行動量(営業量)を増やす重要性とは?

営業パーソンにおける「量質転換」とは何か?

もちろん、のべつまくなしに量をこなせと言っているのではない。あれこれ試行錯誤を繰り返しながら、まずは量を意識してほしいと言っているのだ。
なぜなら、哀しい現実かもしれないが、営業の世界の「質」というのは「量」からしか生まれないからだ。このことを先人達は「量質転換」と言葉を使って、その事実を後進に伝えている。

「量」というのは1日の見込み客への電話の本数、顧客、取引先への訪問件数といったコンタクト件数、見積の作成件数、提案書の提出件数に数えられる行動の総量を指す。
30年以上、数万人の営業パーソンを見てきたが、条件が一定であれば、これらの「量」と営業の業績、営業パーソンとしての成長は、営業を始めて3年間は正比例する。

この「量質転換」の事実は英会話の学習と全く一緒だ。英語を苦手とする日本人は多く、英会話スクールやWeb上での英語学習も盛んだが、日本人が英語をクリアに聞けるようになるには一般的に延べ1000時間が必要と言われている。
しかも学習時間と上達度は比例せずに、延べ1000時間を超えた途端に、突然聞けるようになるというものだ。
つまり1日、1時間ずつ聞くなら、英語をマスターするのに3年間は必要になるし、3時間なら1年、できるかどうか分からないが1日6時間聞ければ半年、1日12時間聞ければ3カ月で英語をマスターできるという訳だ。

だから英語圏に短期留学でもホームステイをして3カ月間英語漬けの日々を送るほうが、早く英語を習得できるということで、多くの人々が合理的な方法として留学を選択してきた。
営業の習得もこの英語習得パターンと全く一緒だ。ある一定のレベルを超えるには、延べの量が絶対不可欠になる。
例えば、電話でコンスタントに新規のアポイントが取れるようになるには、1万件の架電、勝つ見積もりや提案書が書けるようになるためには300本、といった成長臨界点が存在するのだ。

量質転換のグラフ

働き方改革の渦中で、どのように「量」を追求すればよいのか?

働き方改革が進行し、残業が否定される中で、そんな量をいったいどこで行えばいいのかという疑問があるかもしれないが、そもそも新規のアポイントを取るための100件の電話に1日は必要ない。
顧客訪問も1日3件程度なら楽勝のレベルに違いない。顧客訪問を1日3件とするなら、外出していない時間に顧客への電話やメールの量も相当数をこなせるはずだ。

例えば、取引先1件当たりの電話時間、これが長いと量がこなせなくなるので、極力、端的な短いやりとりにしなくてはならない。
電話が長いというのは相手の時間を奪っていることにもなるので、注意を払いたいところだ。
見積や提案書も営業パーソンが作成するのであれば、売れている先輩のテンプレートや見本、手本を駆使してとにかく“下手の考え休むに似たり”の状況をつくらないことに尽きる。

さて、この「量質転換」の話は“20代限定”、もしくは営業に配属されて3年未満の営業パーソンに向けてのメッセージのつもりだが、それ以外の営業パーソンも知っておいて欲しい。
「営業の成果に必要なのは量なのか、質なのか」というのは一見、究極の選択にも思えるが既に結論が出てしまっている。
学生時代の「部活動は練習量なのか、練習の質なのか」「勉強は時間なのか、やり方なのか」という素朴な疑問と全く一緒の議論で、ここを間違ってしまうと、その後の成長が著しく遅れてしまうので、確認の意味を込めて、もう一度共有しておきたい。
営業パーソンとして、成長の臨界点を超えるためには「行動量」が大事なのだ。

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この連載の著者

エマメイ先生(大塚 寿)

1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、「オーラの営業」(Nanaブックス)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など。

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