顧客に合わせたキャラクターを演じる
取引先の担当者との関係は友人とは違う。要はソリが合わないと感じる相手であっても、なんとなく苦手と思う相手であっても、お互いに会社の窓口として、うまくやっていかなければならない。
今回は顧客の窓口がどんな相手であっても、ストレスを溜めず良好な関係を築ける極意を紹介したい。
昔から今と同じように「イヤな客」なんて、いくらでもいた。下手をすると「パワハラ」「セクハラ」という概念が希薄だった昔の方が多かったかもしれない。
そうした「イヤな客」に当たってしまった時の具体的な処し方を上司なり、先輩社員が伝授してくれたなら、それが理由で退職なんてことには至らなかったろうに、そうした際に適切なアドバイスもなく、1人悶々と悩み、退職を決意する若手営業パーソンがいるとしたら残念でならない。
そんな不幸を日本の営業から払拭するため、ここでその対処策を共有しておきたい。
まずは、最も重要な営業の本質から紹介しよう。
営業とは「演じる」ことである―――。
「公私」という言葉があるが、営業パーソンとしてのあなたは「公」としてのあなたなので、生まれ持った本来の「私的」な部分の性格やキャラクターとは分けて対応すべきなのだ。
つまり、どんなにイヤな相手であっても、それは某社の営業パーソンを演じている役柄に対して相手がイヤな対応をしているだけで、「私的」な部分のあなたを責めているのではない。
少なくともこの「区別」が絶対に必要で、ここがスタートラインだ。
次に、先天的であれ、後天的であれ、現在の「素の自分」のキャラクターで営業を行うのではなく、取引先の担当者が好むであろう営業パーソンを演じるのだ。
もっと言えば、「売れる営業パーソン」を演じて欲しいのだが、まずは手始めに「相手が好むであろう」営業パーソンを演じることから始めよう。
「そんなこと言ったって、どんな営業パーソンを好むかなんて分からない」という読者は、相手の話し方、テンポ、抑揚、姿勢などを真似てみる“ミラーリング”からスタートしたい。
人間というものは、自身と類似性がある人に親近感をもったり、そう感じる人と友達になったりするものなので、その特性を最初から利用してしまうのが“ミラーリング”の手法になる。
もし、それで効果がないなら、“ミラーリング”の真逆も試して欲しい。
「恋愛と営業が同じ」という説には異論を唱えたいが、人は「自分にないものを持っている人に惹かれる」という恋愛の特性は営業でも活かせるところがある。
それでもダメなら今度は「精神科医」を演じてみよう。
「取引先のK課長は何で社外の私に対して、いつもこんな不機嫌な態度で対応するのだろう?」という疑問に対して、できるだけ多く推測としてその要因をリストアップしていくのだ。
例えば、家庭生活がうまくいっておらず、そのイライラが月曜朝一に訪問する自分にぶつけられるのかもしれないし、対人関係がずっと苦手だったので技術者になったのに、管理職になってしまい社外との折衝役を担わされ、厭々やっているのかもしれない。
自分にとってどんなイヤな相手であっても、そうなっている理由が分かれば、少なくともそこから来るストレスは大幅に削減されるので試さない手はない。
重要なのは、このように様々な可能性を勘案しつつ、顧客に合うキャラクターを模索していくことだ。そのココロは、相手の性格は絶対に変わらないということ。その性格をコントロールできる自分に変わるために、「精神科医」を演じるというわけだ。
最後に最終兵器も紹介しておこう。最後の最後に演じるのは「死神」だ。
言っておくが、この方法はヨーロッパの貴族に仕える召使に古くから伝わる技で、それが日本の接客業の一部に伝播し、ごく一部の営業の世界でも使われるようになった方法になる。
どうしようもなくイヤな相手への対処策として、「この人は3ヵ月後に死ぬ。しかし、そのことを知っているのは自分だけ。さて、この3ヵ月でこの人に何がしてあげられるかを自分に問う」というやり方だ。
この技を使う局面がないことのほうが望ましいが、知っているだけでストレスが軽減されるという効果もコッソリ伝えておきたい。
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