自分の知識を補うための人間関係の構築
インターネットは営業の分野においても革命を起こした。ネットとともに「情報検索」が信じられない位に身近で手軽なものとなったため、各営業プロセスの中でも「情報検索」が当たり前のルーティーンとなっている。
しかしながら、このイノベーションは全営業パーソンに等しく訪れたために、業績格差をもたらす要因とはならなかった。
実は営業パーソンの業績を大きく左右したのは「情報検索力」ではなく「人間検索力」の方だったのだ。
今回は売れる営業パーソンになるために必須の「人間検索力」について解説したい。
そもそも「人間検索力」とは何なのか?
文字どおり「うちの社内でビッグデータのデータ分析に一番詳しい技術者がどこにいるか」「最新の決済システムに精通しているSEがどこにいるか」を瞬時に想起できることであり、更には「自分がその該当する人物を思いつかない時、知らない時に、誰に聞けば分かるか」というその「誰」を持っているかどうかのことである。
例えば、社員数が数万人規模、数千人規模の企業や組織となれば「どこに何に詳しい人がいる」なんてことはほとんど分からない。
該当者を探す母集団すら、これまで一緒に仕事をしたことがある別の部署の人に、せいぜい同期の社員が加わった程度だろう。
しかも営業―技術、営業―設計、営業―SE、営業―製造といった部署をまたぐ関係で、オフィスや工場が別々だったりすると、別部署の知り合いの増え方というのも遅々たるものだ。
更には、何かのきっかけがないと部署をまたぐ関係というものは生まれないという事情もある。
そんな現実とは裏腹に、今日のように営業する製品やサービスはどんどん進化、高度化、専門化され、営業パーソンの製品知識や技術知識では、顧客からの技術的な質問に即答できないケースが年々増加している。
当然、高度で専門的な質問の中には、「自社の誰に聞けばいいのだろう」と首をひねってしまうものも混じっている。
こうした場面で、いったんは宿題とさせていただいたものの聞くあてがないと、回答は遅くなるばかりで、顧客には「回答の遅い会社」という印象を与えてしまう。
これは営業的には致命傷だ。
さて、ここからは現実を話そう。
すでに読者のみなさんは「社内人脈」というキーワードを頭に思い浮かべているかもしれないが、20代、30代前半の営業パーソンの「社内人脈」には限界があるので、そこには余りこだわらないほうがいい。
むしろ、先に述べた「自分がその該当する人物を思いつかない時、知らない時に、誰に聞けば分かるか」という「誰」の「社内人脈」を利用するのだ。つまり、人脈のレバレッジを利かせようというわけだ。
ここは「他人の褌(ふんどし)で相撲を取ること」に徹し、「人脈」という言葉を使うなら「社内人脈のハブ」となる人を3名以上は確保しておきたい。
その1人は上司であることが理想だが、別にかつての上司でも先輩でも構わないし、隣の課のグループ長でも構わない。
できれば、技術部門出身の営業パーソンといった異質のキャリアの人脈も頼りにしたい。
IT業界で技術出身の営業パーソンが売れる営業になりやすいのは、かつて所属した技術部門に知り合いが多いというアドバンテージによるところが大きいからだ。
であれば、その知り合いを拝借しようではないか。
喫煙者は、タバコ部屋友達でもいい。
タバコ部屋の登場と共に、まことしやかに囁かれていたのは「喫煙者の新人の方が早く成長する」ということであったが、その真偽はともかく、タバコ部屋で顔なじみの先輩社員が増え、言葉を交わすようになった末、「〇〇の件だったら、金融3部のXXが詳しいから、俺が連絡しといてやるわ…」的なやり取りが頻発していたことは確かだ。
その関係構築をしたくて、タバコを吸わない新人がコーヒー片手にタバコ部屋に定期訪問するといった不健康な活動も耳にするくらいだから。
情報検索は誰にでもできるが、人間検索は意識している人だけがアドバンテージを得る。
業績格差を生む領域だけに、是非、人間検索力を高めて欲しい。
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ここで述べているノウハウやスキルは、読んだだけでも充分勉強になります。しかし、これだけでできるようになるわけではありません。実際の営業場面で「できる」ようになるためには『実践とフィードバック』が必要になります。
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