キーパーソンのアポを獲得するロジック
新規の見込み客に対し、商談のアポイントを取るために電話を掛けるテレアポ(会社によってはテレマ、アポ取り、架電、入電などと呼ぶ)だが、ロジックを踏まえた上で実施しないと、成果がでないどころか営業パーソンを疲弊させる元凶になってしまう。
今回は成果を上げるトークやテクニックの底流にあるロジックについて紹介したい。
テレアポというのは、最初に電話を取るゲイトキーパーをいかに突破し、キーパーソンにつなげてもらうかと、そのキーパーソンから商談のアポイント(以下アポ)を取りつける2段階で考えておかなければならない。
まず、最初の関門であるゲイトキーパー、具体的には代表受付であったり、部門受付だったりするのだが、ここを突破しないことには何も始まらない。
しかし、毎日ひっきりなしに掛かってくる売り込みの電話をすべて当事者につないでいたら、それこそ仕事の邪魔になってしまうので、文字通りゲイトキーパーがフィルターの役割を果たすことになる。
しかも当事者達は既存の取引先とはメールや携帯電話でのやり取りが主流になっていることから、各社とも「売り込み電話の断りマニュアル」的なものを運用し、失礼のない断り方を実践している。
そうした狭き門を突破するには、通す電話と断る電話の基準となるロジックを知っておきたい。
ザックリいうならこんな感じだ。
ゲイトキーパーが電話を通すか否かは、複合的な要素とそれらのウエイトとで決まる。
例えば、相手の会社の知名度、評判・イメージ、用件、言い方、その他といったところだ。
これまで様々な業界の営業コンサルティングなどで経験した何百万件のテレアポの分析結果から平均的な数値を示すと、それぞれの要素にウエイトを掛けた積の和が0.5、すなわち50%を超えればゲイトキーパーが突破できるという見立てだ。
知名度という点では、誰でも知っている有名企業が有利になるが、そのウエイトは上の図の式のように15%程度だ。
中には知名度は高くても、しつこく電話を掛けてくる「評判・イメージ」が悪い業界や会社もあるのだ。「この会社からの電話は取り次がないように」というブラックリストを電話取り次ぎマニュアルに載せている企業もある。
更に、そうした知名度や評判より重きを置かれているのが、その電話の用件と話し方になる。
つまり、評判・イメージを判断できない程、無名な相手であっても、その電話の用件と話し方によっては50%を突破するので、ゲイトキーパーは電話を通すという訳だ。
「働き方改革で成果を上げた10社、成果を出せなかった10社の比較を細かくまとめた事例集が完成しまして、御社の業界に特に役立ちそうですので持参できればと思いますが、人事の酒井部長、お願いいたします」
といった用件を丁寧に、ゆっくり、分かりやすく話せば、たった1人の無名なフリーランスであっても、高率でゲイトキーパーを突破することができる。
もちろん、用件は理にかなっていても、最もウエイトの高い話し方が怪しかったり、たどたどしかったりするとキーパーソンにはたどり着かないので要注意だ。
次に第2の関門、キーパーソンからアポが取れるかどうかだが、このロジックはゲイトキーパーのものとは全く異なるものになる。
この時点では知名度、評判・イメージなどは、もうどうでもよくなるが、電話のタイミングが重要になってくる。
要はキーパーソンが、「外出中です」「会議中です」でないタイミングを狙って電話を掛けたいのだ。朝と夕方の時間帯はゴールデンタイムと言われるし、月曜朝一もキーパーソンからのアポを取れる確率が高いと言われている。
月曜朝一というのは、休み明けでメールをチェックしたり、部下からの報告や部下への指示に追われたりで一番ザワザワしている時なので「この忙しい時に売り込みの電話なんか…」と思われがちだが、そのネガティブな心情を補って余りある着席率の高さがあるのだ。
その電話の用件が自分の聞きたい話だったり、情報であったりすれば、いとも簡単にアポが取れる。だからこそ、キーパーソンへの電話は、用件や何らかのヒントになりそうなサジェスチョンがモノを言う。タイミングがよくて、用件、話し方、サジェスチョンが満足いくものであれば、0.8、すなわち80%となって、アポイント獲得に必要な70%を超えるという訳だ。
ここはゲイトキーパー突破と同様のトーク、
「働き方改革で成果を上げた10社、成果を出せなかった10社の比較を細かくまとめた事例集が完成しまして、御社の業界に特に役立ちそうですので持参できればと思いますが…」
で十分だ。賢い上級管理職はヒントになる情報を幅広く、営業パーソンを通して仕入れているという現実をロジックに組み入れない手はない。
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