売れる営業の話し方文法

営業パーソンに必要なヒアリング。売れる営業の話し方とは

努力をしているにもかかわらず、成果がでない「惜しい営業」は自社や自社製品を主語にして話し、「売れる営業」パーソンは相手を主語にして話す。
たったこれだけの違いで「売れる」営業に変われるなら、試さない手はない。

営業パーソンに必要なヒアリング。売れる営業の話し方とは

ヒアリング段階で、競合に既に負けているかもしれない

案件化できるか否か、受注できるか否かといった結果は、アプローチ準備とこのヒアリングで100%決まってしまうといっても決して言い過ぎではない。
残念ながら失注してしまった時、営業パーソンは上司に「やはり価格で負けました」「政治力に負けました」あるいは、「企画自体は評価されていたのですが、プレゼンで負けてしまったようで…」と報告することが多いが、実はヒアリングの時点で負けてしまっていることがほとんどなのだ。

実際、営業したい商材があって、その話をしても相手が興味を持ってくれなかったり、その商材のための次の訪問につながらなかったりで、無力感にさいなまれている営業パーソンの方が多いはずだ。そうしたすべての営業パーソンに伝えたい、言葉の順番をちょっと変えるだけで、その状況が好転するということを。

話の主語は自分ではない、「相手を主語(主題)」と意識せよ

では、「売れる営業」と「惜しい営業」とでは、ヒアリングの場面で何が違うのだろうか。
最初に言っておくが、それはほんのわずかな差で、要は知ってさえいれば誰でも実践できるレベルだということがミソだ。

ヒアリングの場面でもっとも重要なセオリー、それはとにかく「相手を主語(主題)にして話す」ことだ。
例をあげると、「最近、流通業のお客様からXXXの引き合いが多くなっているのですが、御社でもそのあたりに課題感はお持ちですか?」とか「○○部長の直近の課題としては…」といった感じで、必ず相手のことを主題にすることだ。

絶対にやってはいけないのが、自分側を主語にした「こちらが弊社の新しいモデルのラインナップになりますが…」とか、新規訪問では会社案内を取り出して「弊社の設立は…」と切り出してしまうやり方だ。
プライベートなコミュニケーションであっても、「自分のことばかり話す人」のことをどう思うだろうか。よほど魅力的でない限りは、なかなかその話に感情移入できないはずだ。

相手を主語にして話すイメージ

インパクトを高めるには、相手が乗ってきやすいテーマで話す

しかし、「御社の中期経営計画に照らした時に、運用コストの削減を考えるとパッケージも選択肢にはなってくるとは思いますが、その辺りの方向性というのは…」とさもありなんということを前振りされると、ついついその話に乗っかって事実を話してしまったりするものだのだ。

例えば自動車の場合、ラゲッジスペースを広くとったモデルチェンジ後のステーションワゴンをアピールするには、「新モデルは前のモデルに比べ、30リッターほどラゲッジスペースが広くなりました」といった自分側が主語ではあまりインパクトは感じられないだろう。
逆にゴルフが趣味の人には「45インチのドライバーを入れたままでも斜めにしないで、キャディーバッグが4つ(フォーバッグ)入りますよ」と相手の興味・関心を主題にしたほうが著しくインパクトが高まる。

ゴルフをしない人には、多頻度の用途を尋ね、旅行であればスーツケースやバッグの大きさや数、キャンプであればリュックやテントの大きさを基準にして、あくまで「相手の立場に立った利便性の向上」を主題にして話すというセオリーを忘れてはいけない。
どうだろうか、この程度のことであれば、あなたなら今日からすぐに実践できるはずだ。

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この連載の著者

エマメイ先生(大塚 寿)

1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、「オーラの営業」(Nanaブックス)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など。

大塚寿

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