顧客から軽んじられないための処し方

顧客に「良い担当営業」だと思って貰うためのセールストークのコツ

営業パーソンは常にお客様から値踏みされている。「自分にとって、会社にとって役に立つ存在かどうか」という基準で。
ならば、商談の初っ端から相手にプラスの兆しを見せる営業を展開して、最も役に立つ営業パーソンというポジションをゲットしようではないか。

顧客に「良い担当営業」だと思って貰うためのセールストークのコツ

お客様が会っている中で、役立つ営業パーソン上位2割に入る

営業パーソンも1日に数件を訪問し、様々な商談をしているが、逆にお客様の方もたくさんの営業パーソンと日々面談を繰り返しているという訳だ。時間をとって会う価値がどの位あるかで、優先順位を付けているのだ。

仮に、お客様1人あたり年間100名の営業パーソンと会っているとすれば、彼ら、彼女らはザックリ「役に立つ上位2割、どちらでもない6割、役に立たない下位2割」といった具合に営業パーソンを格付けしている。

なので、このロジックを先読みして、まずは上位2割のポジションを獲得する方略を初っ端から展開していかない手はない。
そのために最も効果的な方法が「相手にプラスの兆しを見せる」ことである。それを披露するタイミングは早ければ早いほどいい。

初回訪問時でもルートセールスの定期訪問であっても、雑談の後、「有益な情報を得る!営業ヒアリングの雑談・段取り・シナリオとは?」の回で紹介した、相手に話をさせる段取りの3)のステップ “雑談から相手に役立ちそうな情報提供に展開” などがそのタイミングだ。

具体的な“プラスの兆し”というのは、例えば

  • 費用対効果が定量化できる
  • コストが10%下がる可能性がある
  • スタッフのマルチタスク化が自然に進められる
  • コンバージョンレートが12.5%~25%上がる
  • これまでできなかった新卒者の育成が可能になる
  • 納期のリードタイム(所要期間)が25%短縮される
  • これまで採用できなかった学卒者を採用できる
  • 紙での保存が不要になる
  • 内定辞退者を減らせる
  • 貿易実務専任者を置かなくて済む

といったことだ。

更には、こうしたことをそのままの言葉で言うと、「眉唾(まゆつば)」に聞こえたり、うさん臭く聞こえてしまう危険性があるので、言葉ではない根拠、エビデンス(証拠)で示すのがコツになる。具体的には

  • 先進事例や導入事例の「before and after」を端的に伝える
  • 解決策のヒントを示す
  • 相手先の業界での実績を話す
  • 比較表を示す
  • デモを見せる
  • サンプルを見せる

といった感じになる。

相手にプラスの兆しを見せているイメージ

形のある有形財を営業するメーカーや販社、商社ではなく、人材総合サービス、広告代理店、SIer、金融といった形のない無形財を扱う企業の営業では、ことさら「相手にプラスの兆しを見せる」ことが重要になる。
多少営業のスキルが不足していても、目に見える製品の営業というのは、その製品の差別化のポイントや機能特性も目に見えるために、営業力に関係ないところで、お客様の方が気づいてくれる。

しかし、無形財というのは結局、やってみなければ分からない可能性を営業しているようなものだからこそ、同業種の同じ位の規模の事例が「ほぼ同じ条件で実績が出ている証拠」、つまりは「プラスの兆し」になるという訳だ。

更に言えば、あなたが現状、「相手にプラスの兆しを見せる」ことができていなくても、将来的にできそうにないと思っても悩まなくていい。 
なぜなら、あくまで「兆し」の話なのだ。そんな気がするレベルでOKなのだから、その結果にこだわり過ぎる必要はない。

  • この営業パーソンは自分に役に立つ情報を持ってきてくれそう
  • 何かあってもこの営業パーソンだったら、たとえ工場を動かしてでも何とかしてくれそう
  • この会社は技術力がありそうだから、自社の問題を解決してくれる提案を持ってきてくれそう

相手がこうした「兆し」を感じてくれればいいのであって、重要なのは、あなたがそのための準備や行動をまずは起こそうとすることが一番大切なことなのだ。
まずは「相手にプラスの兆しを見せる」ひと工夫を考えて、あなたの営業に加えてみよう!

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この連載の著者

エマメイ先生(大塚 寿)

大塚寿 顔写真

1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に 『〈営業サプリ式〉大塚寿の「売れる営業力」養成講座(日本実業出版社)』『自分で考えて動く部下が育つすごい質問30(青春出版社)』、『50歳からは、「これ」しかやらない(青春出版社)』など。

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