顧客の本気度を測る方法
前回の訪問では「検討しておきます」という反応だったにもかかわらず、その後は連絡してもアポイントすら取れなくなってしまうケースも少なくない。
日本の顧客の「検討しておきます」という言葉は、「前に進まない」ネガティブな意味で使われることの方が多いので、こういうことが頻発する。
今回は、顧客が本気でこの商談を進める気があるのかどうかを測る方法について紹介する。
「日本語は世界で一番『営業に不向きな言語』だった」で解説した通り、日本語はやり取りしている言葉だけで意思疎通する言語ではない。相手の表情、その場に漂う空気や雰囲気、そこまでの流れなどを総合的に判断して解釈する言語なのだ。
だから相手が口に出した言葉だけを鵜呑みにしてしまうと、相手の意思や気持ちを誤って判断してしまうことになってしまう。
では、こうした「本音と建前」が共存する商談場面において、相手の真意を把握するのはどうしたらいいのだろうか。
まずは、「相手の感触がいい」「この商談は前に進む可能性が高い」「案件化しつつある」とポジティブに判断すべき判断基準を紹介したい。
相手の本気度が高い場合は、「導入を前提にした質問」が出る。具体的には「お金」の話、つまりコストや価格に関する質問だ。
もちろん、ザックリした金額、概算価格のレベルのやり取りになるが、そもそも関心が薄い相手はせっつかれること警戒し、「お金」の話には踏み込まないので、明確な判断材料になる。
また、同様に導入事例に関する質問が出るのも、ある一定以上の本気度があると判断していい。その本気度の高さと質問の細かさは正比例するので、細かな、具体的な質問が続く場合は案件化する可能性が高い。
更に小さなことではあるが、次の3つも「感触がいい」と判断できる要件になる。
システム開発であればSE、メーカーであれば技術者や設計部門の担当者、広告・Web関係であれば制作の人間やデザイナーなど、営業の先にある専門部門の人間との面談を希望するのは、相手が本気で商談を前に進める明確な判断基準になる。
自社と同じ業界の事例や見積もり、技術的な問合せなど、宿題や依頼事項がある場合も案件化もしくはその一歩手前のステイタスなので、相手は本気モードと評価して構わない。
逆を言えば、相手の本気度が判断できない場合には、同業界での事例を見てみたいか、概算でも自社の場合のコスト感を知りたいかという希望を問えば、「是非」なのか「参考までに」なのか「特に要らない」なのかで本気度が明確にできる。
その商談の最後に次回訪問の日時の設定ができれば、相手はこの商談をポジティブに判断していると考えていい。
少なくとも、相手の本気度がゼロとか微妙なレベルであれば、その場で次回訪問のスケジューリングには至らないので、前向きにとらえるべきだ。
最後に、残念ながら本気度が希薄だったり、最悪、本気度「なし」と判断しなければならないケースにも触れておきたい。
キーパーソンに面談して、「課題の話」を繰り返しても共感を得られなかったり、ニーズや課題が見当たらないとしたら、その案件を見切るサインととらえていい。
もちろん、外部環境がダイナミックに変化しているので、何かが突然課題化したり、潜在化していたニーズが何かのきっかけで顕在化する可能性もあるので、規模感のある企業であれば、半期に1度位は情報交換を兼ねた訪問を行って、状況の変化を待ちたい。
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