自然な予算感の聞き出し方

営業ヒアリングで顧客の予算感を自然に聞き出す方法3つのポイント

顧客に予算をストレートに聞くことができて、相手もそれに明確に回答してくれるなら、こんなに楽なことはない。
確かに特約店や代理店へのルートセールスの一部にはそのようなケースも散見されるが、圧倒的に多いのは、ストレートに聞いてもかわされてしまったり、煙に巻かれてしまったりするケースだ。
しかし、適切な見積を出すためには、予算のヒアリングが必須になるため、予算に関する情報やヒントが聞き出せるか否かがその後の明暗を分けてしまう。
今回は自然なコミュニケーションの中で予算を聞き出す3つの方法を紹介したい。

営業ヒアリングで顧客の予算感を自然に聞き出す方法3つのポイント

「予算」より「予算感」というキーワードを使うのがポイント

1つ目は、「予算」という言葉ではなく、「予算感」というワードを使うこと。
なぜなら、顧客は「予算」を聞かれると反射神経的に、「コンプライアンス上、社内の機密情報を社外に漏らすことはできない」と判断して、「いや、まだそこまでは決まっておりませんで…」とか「いや、いや、いや…」と煙に巻くような返答をするものだ。
煙に巻かれたり、はぐらかされたりするフレーズの言外の意味は「そんなこと、あなたに言えるわけないじゃないですか」なので、そこから予算に関する対話を立て直すのは著しく難しくなってしまう。
はぐらかされるどころか、「入札になりますので…」と紋切型に素っ気なく言われてしまうと、二の句が継げない。

一方「予算感」には「まだ予算的な所は固まっていないかもしれませんし、決まっていても社外の人間である私の前では口外できないでしょうから、さしつかえない範囲のザックリした予算のイメージをお聞かせ願いたいのですが…」という予定調和的なニュアンスがある。
「予算」にたった一語「~感」を加えるだけなのに、相手の警戒感は高まらず、そのままコミュニケーションが進行するので、予算に関するヒントが格段に得やすくなる。 これなら誰にでもできるはずだ。

営業ヒアリングの必須項目!自然に予算を聞き出す3つの方法とは?

予算の仮説を立てるための「比較例」を示して質問する

2つ目は鎌をかける質問法。
例えば、前回の導入から5~6年経ち、更新時期を迎えている場面で「今回も前回並みの仕様と予算という理解でよろしいでしょうか?」といった聞き方。
「前回並みの仕様と予算」という相手との対話の基準を投げかけることにより、前回並みなのか、減額を予定しているのか、あるいは仕様を上げて予算を増額しようとしているのか、に当たりをつけることができる。
「比較例」というのは分かりやすいので、相手はその対話に乗りやすくなってしまう。
そこで明確な予算は聞くことができなくても、そもそも前に進めても受注の可能性がある案件なのか否か、競合と比較し、競争力のある見積ができるか否かを判断するのに必要な情報やヒントを得られることが多い。

概算価格をぶつけてみて相手の反応から推測する

3つ目は周辺情報を聞いた上で、こちらから概算価格をぶつけて、その反応から相手の想定している価格感を把握する方法。これも鎌をかける質問の一種だが、上記と異なるのはこちら側から概算価格という仮の金額を明示することだ。
「正式な見積はこれまでお聞きした内容で積算させていただきますが、直近の類似案件からザックリ概算価格を出すと3000万円は超えてくるかなぁといった感触です。ところで、御社はすでに予算化は…」といった流れになる。
注意したいのは、この質問は予算化してるかどうかを尋ねているものの、それはダミーで、把握したいのは、こちらが「3000万円は超える」と言った時の反応になる。
要は「3000万円を超える」価格を「高い」と感じているのか、「想定内に収まりそうだ」と感じているのかを相手のその直後の言動や表情から推測したいのだ。
この方法は予算自体がまだ決まっていないケースや新規案件の場合によく使われるが、是非、あなたの営業に合わせて微調整して、自分のものとして欲しい。

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この連載の著者

エマメイ先生(大塚 寿)

大塚寿 顔写真

1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に 『〈営業サプリ式〉大塚寿の「売れる営業力」養成講座(日本実業出版社)』『自分で考えて動く部下が育つすごい質問30(青春出版社)』、『50歳からは、「これ」しかやらない(青春出版社)』など。

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