自社商材をよりよく見せるアピール方法

相手に役立つと思わせる…自社商材をよりよく見せる3つのセオリー

営業とは自社の製品やサービスを「説明すること」ではなく、顧客のニーズや課題に対し、自社商材が「いかに役に立つかを訴求すること」である。今回はこの売れる営業の最も重要な3つのセオリーを解説する。

相手に役立つと思わせる…自社商材をよりよく見せる3つのセオリー

自社商材がいかに役に立つかを語るには

自社商材をよりよく見せるには以下の3つのセオリーに従うのが効果的だ。

1)自社商材の説明より先に、それによってもたらされるベネフィット(恩恵)について語る

「自社商材分析」の回でマーケティングミックス4Pを紹介し、その構成要素の1つ「Product」でもベネフィットについて紹介した。
そこでは「顧客が欲しいのはドリルではなく、1/4インチの穴だ」という名セリフを紹介したが、この短いフレーズが売れる営業の核心を象徴している。
結局のところ、自社商材の性能や競争優位性は営業の段階では変えることができず、既に定まったものだ。

それを顧客により魅力的にアピールするには、もはや変えることができない「商材」のほうではなく、顧客のニーズや課題に焦点を当てて、その背景や発生のメカニズムを共有し、そこで自社商材がいかに役に立つのかを語るしかない。

145キロのストレートをより速く見せるのと同じ

要は顧客の課題をどこまで深堀りして、その問題の本質を押さえた上で、その解決のベストチョイスとして自社商材を語れているかがポイントになる。
これはプロ野球投手の配球に例えると分かりやすい。150キロ台のストレートを投げられる投手がいたとする。
もちろん、それが彼の強みであることは間違いないが、この強みをより生かすには、150キロ台のストレートの逆の球、つまり遅い球も投げられるとグッと投球に幅ができ、強打者でも打ち取りやすくなるそうだ。
いわゆる「緩急を使う」と表現するが、150キロ台連発の後の152キロより120キロ台のカーブやチェンジアップといった遅い球の後の145キロの方が速く感じるだけでなく、極端に打ちにくくなるという。
実際に強豪の社会人チームの選手達に聞いたところ、カーブやチェンジアップといった遅い球の後の145キロをヒットにするのはかなり難しいらしい。それが150キロになるとバットにすら当たらないということだ。

つまりはあなたの商材の強みが150キロに届かない145キロだとすれば、それが150キロ台だと顧客に語ることはできない。
しかし、150キロ台のストレートだけで勝負する以上に相手に魅力的に感じさせることはできる。
そう、「緩急を使う」すなわち、顧客のニーズや課題を掘り下げ、「うちの事情に詳しい」「かゆいところに手が届く」「うちみたいな会社にピッタリな提案」と相手に思わせる段取りで商材アピールを行うのだ。
自社商材をただ語るのではなく、それによってもたらされる恩恵、利益、結果を魅力的に語るということを実践して欲しい。

自社商材をよりよく見せるアピール方法

2)営業ツールに記載された順番ではなく、相手が知りたい順に話す

ついつい私たちは営業ツールやパンフレットに記載された順番に説明したくなってしまうが、相手のニーズや課題に応えることのできる商材の「機能」や「特長」を最初に話すほうが確実に案件化率は高くなる。
顧客のニーズからして、関心があるであろうことが持参した16ページ立ての営業ツールの5ページ目に記されているとしたら、迷わずそこからスタートしたほうがいい結果をもたらす。

3)実際の導入事例、ユーザーのコメントを交えて話す

営業パーソンが自社商材の強みや魅力を語るということは、どこまで行っても「自画自賛」「手前味噌」からは脱却できない。
相手にとってはその信憑性は懐疑的で、時に「眉唾(まゆつば)」と感じてしまうのはもっともなことだ。
せっかくのアピールポイントがそう解釈されるのは残念なことなので、そうさせないために実際の導入事例を語るとともに、そこでユーザーのリアルなコメントを交えたい。
そうすることによって信憑性が増すばかりでなく、相手のイメージも湧きやすくなるので、その準備もしておきたい。

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この連載の著者

エマメイ先生(大塚 寿)

1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、「オーラの営業」(Nanaブックス)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など。

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