相手の興味を喚起する8つの視点

【例文付き】営業が顧客のニーズを喚起するトーク8パターン

「顧客から宿題がもらえない」「2回目訪問、3回目訪問につながらない」「クロスセルの提案ができない」というのは営業パーソンの共通の悩みであり、管理職の共通課題に違いない。
実はそれらの根本原因は「どういう話題なら顧客が興味を持って下さるか?」という顧客の顕在ニーズに応える情報武装が足りないことや潜在ニーズを引き出すトークができていないことにある。
逆にそれさえできれば、誰でも簡単に次の段階に進めるので、今回はその方法について共有したい。

【例文付き】営業が顧客のニーズを喚起するトーク8パターン

「顧客は何を知りたいか?」をパターンにあてはめて準備ができる【顧客】【トーク】の例文8

プレゼンの説得力を最大化する基本原則は3つある。

まずは顧客の興味・関心を引くことができなければ、宿題も出ないし、次の訪問の約束を取り付けることもできない。
どういう話題だと相手は興味を持ってくれるのか?
とういうトークだと相手のニーズが引き出せるのか?

それは相手が「何を知りたいか?」を類推することによって、明確になってくるものだが、それらをあらかじめ想定し準備しておくことによって、商談化し、次の段階に進めることが可能になる。
ここでは、その8パターンの切り口と実際の営業トーク例を紹介するので、自身の業界用にアレンジして、試して欲しい。

※以下1)~8)は、顧客の興味・関心を喚起するための切り口。【顧客】が相手の状況、【トーク】が顧客の興味、関心に着火させるトーク。

1)今抱える課題をどうすれば解決できるのか

売れる営業となるための最も有力な情報になるので、社内にある納入事例をこうした視点で分析して、営業トークとして使えるように準備しておきたい。

【顧客】IT技術者のリソースが不足。特に地方の自治体や企業に営業同行ができずに営業機会を失っているSIer(システム開発会社)

【トーク】『自社でもやっている方法を紹介させていただきますと、営業だけ普通に訪問してSE(IT技術者)はタブレットなどの画面から自然に商談に参加するクラウドサービスが好評なのですが、次回はそのデモを…』

2)他社はこうした課題にどう対処しているのか

顧客が欲しいのは、自分達の課題を解決する方法やそのためのヒントになる情報だ。
類似性のある課題に他社がどう対処しているのかは、喉から手が出るほど参考にしたい情報なので、必ず食いついてくる。

【顧客】仕事ができる人に業務の負荷が集中してしまっている現状の中で、働き方改革をどう進めていけばよいのかに課題感

【トーク】『成功されている企業さんには共通点があって、やはり負荷を分散するために人を投入されていますね。ただ、その投入の仕方にちょっとした仕掛けがあって…。よろしければ次回、その内容を細かくご紹介しましょうか?』

顧客の興味・関心を喚起するための8つの切り口

3)最大公約数的な課題

顧客の課題が特定できない場合は、鎌をかける意味で最大公約数的な話題を振るところから始めたい。

【顧客】売り手市場の中で新卒が採用できない中小製造業

【トーク】『独身寮を充実させて、地方の高専や大学にアプローチする方法もありますが、冒険とかマリンスポーツで、3ヵ月連続で職場を離れることができる年間9ヵ月とかの勤務体系があれば、超一流の人材が取れる可能性もあるようですが…』

4)具体個別の解決策、ソリューション

落とし処となる製品やソリューションが固定化されている場合は、そこからの逆算で相手が持っていそうな課題を投げてみる。

【顧客】全国展開のため、営業パーソンが全国に散らばっており、移動コストの面からも集合教育がやりづらい

【トーク】『そういうお客様のために集合研修とOJTのいいとこ取りをしたオンライン研修がございまして、そこでロープレもできるようになっています。よろしければ、次回、デモを…』

5)先進事例

先進事例は相手の関心の強弱、本気度を量ったり、潜在的課題を顕在化させたい場面で有効だ。

【顧客】業務改革の最中、間接部門のコスト比率の高さに課題感を持っていそうな企業グループ

【トーク】『企業グループの中で、思い切ったシェアードサービスとBPOで収益力を改善させたN社さんの事例がございますが、次回、事例をお持ちしましょうか』

6)同業界、同業種の情報

ライバル会社の動向を、営業パーソンを通して情報入手する人が多いので、コンプライアンス上問題のない範囲で、トーク化しておきたい。

【顧客】納期回答に時間がかかり過ぎであることを顧客から再三指摘されるが、改善が進まない某社

【トーク】『品質に対するこだわりの裏返しかもしれませんね。ちなみに、ご同業のO社さんの納期回答は徹底的にシステム化されていますので、差しさわりない範囲で申し上げますと…』

7)ヒントになりそうな異業種の事例

共通点のあるネタであれば、顧客にとっては参考になるので、できるだけ多くの情報を集めておきたい。

【顧客】全国に散らばる小口の取引先を営業パーソンに任せても、代理店に任せても結局フォローできず休眠顧客化してしまうことに課題感

【トーク】『これ、異業種の某ビール会社の例ですが、コールセンターから定期的に電話でフォローする年間プログラムを採用して成果をあげた事例がございます。参考までに次回お持ちしましょうか?』

8)ホットなテーマ

業界で最も注目を集めているネタは鉄板ネタになるので、必ず準備したい。

【顧客】自社の売上に貢献するSEOを行うには、どうしたらいいか分からない

【トーク】『メインキーワードで1位になっても、売上につながらなければ意味がないので、細かい技術の前に、まずはUXを高めるため御社のユーザーに関しまして何点かお聞きしてよろしいでしょうか?』

これらをあらかじめ準備しておき、慣れてきたら状況に応じアドリブで対応できるようにしていきたい。

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この連載の著者

エマメイ先生(大塚 寿)

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1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に 『〈営業サプリ式〉大塚寿の「売れる営業力」養成講座(日本実業出版社)』『自分で考えて動く部下が育つすごい質問30(青春出版社)』、『50歳からは、「これ」しかやらない(青春出版社)』など。

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