間違いを起こさない質問の仕方

営業がヒアリングで簡単に顧客の課題を聞き出す6つの質問法とは?

営業活動において最も重要なのが「顧客の課題をヒアリングすること」だとは営業パーソンの誰もが知っている。
しかし、よほどの人間関係や目に見える実績がない限り「実は…」と事実を話してくれる相手は少ないので、それが聞き出せるか否かが営業パーソンの業績の明暗を分けることになる。
ところが、自然に相手が話し始めてくれる聞き方さえ知っていれば、誰でも簡単に顧客の課題をヒアリングできるようになるのだ。

営業がヒアリングで簡単に顧客の課題を聞き出す6つの質問法とは?

「御社の課題は何ですか?」は使用禁止用語

そもそも初対面の相手やそれほどの人間関係がない顧客に対し、「御社の課題は何ですか?」と尋ねた瞬間、相手は心の中で「なんでそんな重要なことを初対面の、しかも営業パーソンに話さなければならないの?」と条件反射的に思ってしまうものだ。
要は「御社の課題は何ですか?」という聞き方は、きわめて“上から目線”なので、顧客のほうが話を聞きたくて、訪問を依頼したケース以外では使ってはいけないフレーズなのだが、ここが分かっていない営業初心者がかなり多い。

間違いを起こさない6つの質問の仕方

課題を聞き出すのに、「御社の課題は何ですか?」というフレーズが使えないとなると、どう聞けばいいのか。
ここでは、“上から目線”にならない6つのヒアリング方法を紹介しておきたい。

顧客の課題をヒアリングする6つの方法

1)オープンクエスチョン

これは話が発展しやすい間口の広い問いかけで、もっともオーソドックスな聞き方になる。

例えば、「完全に売り手市場が定着しましたが、昨今の新卒採用に関しまして、どのような課題感をお持ちでしょうか?」といったヒアリング方法だ。
上で使用を禁止した「御社の課題は何ですか?」という質問の前に、下線部のような1フレーズを加えるとどうだろう。
“上から目線”度が解消しているとは思わないだろうか。これが超文脈依存言語である日本語を上手に操る技術だ。
言っておくが、これは「コミュニケーションセンス」ではなく単にそれを知っているか、知らないかだけの「技術」なので、知っていさえすれば誰でも使いこなせるようになる。

2)Yes or No

こちらはいわゆる同意か反意かを問うクローズドクエスチョンなので、相手の意思や考え方が明確になりやすい。

「現状の費用対効果につきまして、課題感などはございますか?」という聞き方だ。
リスクとしては「いや、特に…」などとあっさり「No」と言われてしまうと二の句が継げなくなってしまうので、ここはその前に他社事例を話すなど相手が乗ってきそうな前振りも重要になる。

3)Which(二者択一)

こちらもクローズドクエスチョンなので、相手の考えが明確になりやすく、AorBなので
上記2)のように「No」で話がクローズされることも少なく、使いやすい。

「優先順位的には、若手のスキルアップとシニア社員のモチベーションアップとでは、どちらを先に…」といった問いかけになる。

4)呼び水となるひとネタ後の質問

これは呼び水トークの流れに乗るので、相手が回答しやすくなる聞き方になる。

“『働き方改革』のしわ寄せが課長層を直撃している”といったご相談が多いのですが、御社では何か特に課題といったことは…」といった感じで、下線部が呼び水の部分だ。
呼び水のネタは「確かに…」と相手が納得する内容でなければならないので、事前に準備しておくことが望ましい。

5)婉曲的な質問(遠まわしな質問)

これはストレートに聞くことが失礼になったり、その場の空気にそぐわない場面での差し障りのない聞き方になる。

例えば「確かに人員さえ揃っていれば、内製化がベストだと思いますが、逆に御社でアウトソーシングを利用している分野については、何が内製化のネックだったのでしょうか?」という流れになる。

6)ストレートな質問

営業パーソンのキャラクター、相手のキャラクターや場面においては、単刀直入に課題を明確にしたほうがいいケースもあるので、その際の聞き方になる。
まずは、最初に解決されたい課題というのは…」という感じだが、ストレートな質問であったとしても、「御社の課題は何ですか?」と聞くのと、下線部を加えた聞き方では相手の印象が随分違うということも押さえておいて欲しい。

最後に繰り返すが、こうした聞き方は「センス」ではない。上記で示した例をあなた自身の営業に移し替えて、フレーズを作って使えば誰にでも簡単に使いこなせるようになる。
なぜなら、所詮、何十年も毎日使ってきた「言葉」なのだから。

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この連載の著者

エマメイ先生(大塚 寿)

大塚寿 顔写真

1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に 『〈営業サプリ式〉大塚寿の「売れる営業力」養成講座(日本実業出版社)』『自分で考えて動く部下が育つすごい質問30(青春出版社)』、『50歳からは、「これ」しかやらない(青春出版社)』など。

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