他者の提案パターンを活用する

営業の提案力を高めるには?3つの「模倣」で問題解決力を強化

よく「〇〇さんは提案力がある」とか「XXは提案力がない」といった言い方をするが、もしかすると提案力を属人的な能力だと思ってはいないだろうか。
営業に関する限り、それは大きな誤解だ。
そもそも、ゼロから問題解決策を発想できたり、提案をひらめいたりできるのはごく一部の天才の世界の話である。
普通の人には普通に提案力を高める方法があるので、今回はその方法を紹介したい。

営業の提案力を高めるには?3つの「模倣」で問題解決力を強化

まずはいい見本を「模倣する」ことから始める

いわゆる天才肌ではない一般の人が提案力を高めるための最も効果的な方法は、見本となる勝利した提案書を「模倣する」ことである。
老舗の語源が「し似せる」、つまり模倣することから来ているというのは有名な話だが、提案力もまさにその通りだ。

ちなみにリクルート社の歴史の中で、ギネス級の大型受注記録保持者であろうOさんは入社時、天才肌どころか、平均的な売上すら上げることができないダメダメ営業パーソンだった。
しかし、あるきっかけがあって、Oさんは片っ端から当時のトップセールスや売れている営業パーソンをランチに誘っては売れる方法をヒアリングし、同時にかつて資料室に保存されていた大型受注に至った案件の企画書のすべてをコピーし、それらを「虎の巻」にして、徹底的に模倣したのだった。
結果が出るのにさほど時間はかからなかった。彼の業績は、アッという間に右肩上がりに急上昇したばかりでなく、大型受注を連発、ギネス記録を更新し続ける敏腕営業として、伝説のトップセールスとなっていった。

エマメイ先生はOさんから、そのエピソードを直に聞いて、大いに励まされ、自身が同じことを“完コピ”したので、その効用を実感している。
それから随分時間がたってビジネス本を書くようになり、何十万部といったベストセラーに恵まれるようになった時、宴席で、ある著名な小説家に、売れる小説家になるためのトレーニング方法について尋ねたことがある。

彼が間髪入れずに指導してくれたのが、好きな作家の小説の筆写、つまり“完コピ”だった。
縦書きでも、横書きでも、直筆でもパソコンでもいいので、まずは丸々そのまま筆写して、次に好きな描写、気に入った表現を繰り返し、繰り返し筆写して、いつでも自分で再現できるようにしておくことを指導されたのだ。
これは模倣以外の何ものでもない。

小説の世界でさえ、模倣からスタートするのかとOさんからのアドバイスがフラッシュバックしたが、これは売れる営業パーソンを育てるのが上手な企業や管理職が普通に取り入れている方法なので、やらない手はない。

「模倣する」時の3つのポイント

次に手本となる企画書や提案書を模倣する際に気をつけたい3つのポイントを整理しておきたい。

提案力を高めるために、見本となる企画書を模倣する

1)ベストプラクティスを手本にする

これは重要なことだが、見本、手本は誰のモノでもいいわけではなく、売れている人のモノでないと手本にはならない。売れている人、高い業績を上げ続けている人の企画書、提案書をテンプレートとして用いるようにしたい。
いくら見本にすることを薦められても、凡庸な成績の人のモノは手本にはならないので、とにかく売れている人のモノを参考にしなければ提案力は向上しない。

2)数多く集める

見本、手本となる企画書、提案書の数が少ないと類似するモノや参考にできそうなモノが見つかる確率が低くなるので、できるだけ多くの手本をストックしておきたい。
中には「すごい」とは思うが、とても真似できそうもないというモノも出てくるはずなので、数多く集める中で最適なものをチョイスできるようにしておきたい。

3)他社事例も参考にする

自社、自部門だけでなく、他業界などから優れた提案書を日常的にストックしておくことが他者より頭ひとつ秀でるためには必要になる。
例えば「販促会議」といった専門誌には「これがプロの企画書だ!」といった数十年続く連載があるので、図書館などで参考になるモノを探しておきたい。

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この連載の著者

エマメイ先生(大塚 寿)

大塚寿 顔写真

1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に 『〈営業サプリ式〉大塚寿の「売れる営業力」養成講座(日本実業出版社)』『自分で考えて動く部下が育つすごい質問30(青春出版社)』、『50歳からは、「これ」しかやらない(青春出版社)』など。

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