企画提案の最重要ポイントを設定する

KFS分析を活用した顧客に刺さる企画の作り方、コンセプトの考え方

成約する企画提案や見積書には「内容を一言でいうと」で表現できる明解なコンセプトがある。そのコンセプトの中核に据えたいのがKFS(Key Factor for Success)という概念だ。
KFSというのは、顧客の課題や問題を解決するためのキーファクターのことであり、営業サイドから考えると、受注するためのキーファクター、外してはいけないポイントと解釈してもよい。
今回は顧客に刺さる企画コンセプトを生み出すため、このKFS分析を掘り下げたい。

KFS分析を活用した顧客に刺さる企画の作り方、コンセプトの考え方

企画コンセプトとは何か?

まずは、概念の共有から。
営業における企画コンセプトとは顧客の課題、問題、ニーズ、期待に対し、「どのような方向性」で企画を進めていくかという概念である。
見積書であれば、更にそこに積算根拠や価格政策といったことが加わる。

例えば;

提案書であれば;

  • 顧客の課題に自社がどのように役に立つかの筋道を描く
  • 顧客が抱える問題を「こうすれば解決できる」という解決策のインパクトで勝負する
  • 「解決策を全面に押し出す」より「問題のボトルネックをあぶり出す」ことに主眼を置く
  • 期待に応えるレベル、期待に応え切るレベル、期待を超えるレベルを順次描く

見積書であれば;

  • ランニングコストで3年後に収益を出すため、イニシャルでは赤字覚悟の特価を出す
  • 自社商材の良さが分からない顧客とは付き合いたくないので、自社が適切と思う金額で出す
  • できるだけ多くの人から価格感、および競合に関する情報を収集し、受注できる金額で出す

といったようなことだ。

もちろん、企画コンセプトは案件ごとに変わるものであるし、その年の営業方針や上司の意見が大きく反映されるものである。

KFSの見つけ方

さて、この企画コンセプトだが、その中核に据える、もしくはそこから出発して欲しい最重要な概念がKFSである。

PEST分析、SWOT分析等のフレームワークを用いてKFSあぶり出す

PEST分析、SWOT分析等のフレームワークを用いてKFSあぶり出す
調査、分析の思考のフレームワークとしてSWOT分析やマーケティングミックスの4Pが有名だが、顧客への提案で重要なのは、これらのフレームワークから見出される「コンセプトのイメージ」や「中核となる切り口」。「キーワード」を見つけるイメージでも構わない。
出典:「Marketing Management ELEVENTH EDITION」PHILIP KOTLER

時に「コア・コンセプト」と呼ばれたり、「キラー・コンセプト」と呼ばれたりもするし、人によっては「企画のど真ん中を何にする?」とか「何をドカン!と全面に打ち出す?」と表現したりもする。
実はこのKFSを何に設定するかで、その提案が最終候補にまで残れるかどうかが決まってしまう。
要はKFSが芯から外れていたり、魅力がなかったりするとそこで足切りにあって、先には進めなくなるのだ。

では、受注確率をMAXにするためのKFSはどのように見つければいいのだろうか?
その方法は1つだけではない。

例えば;

  • 商談やヒアリング時に顧客が繰り返したキーワード
  • PEST分析、SWOT分析等のフレームワークを用いてあぶり出したキーフレーズ
  • 顧客が会社として大切にしている考え方、理念、風土
  • 顧客の課題や問題を引き起こしている原因への対処策
  • 自社の勝ちパターン
  • 過去の自身の勝ちパターン
  • 顧客が「へぇ~」と感心するであろう技術や設計思想
  • 自社商材のベネフィット(顧客が得る恩恵)
  • 相手の決裁者の好み
  • 相手の中期経営計画の重要課題

といったことがKFSになるので、当該案件で候補となりそうな案をできるだけ多く出して、そこから選択する方法がお薦めだ。

上記の「PEST分析、SWOT分析等のフレームワークを用いてあぶり出す」について補足しておくと、調査、分析の思考のフレームワークとしてSWOT分析やマーケティングミックスの4Pが有名だが、これらがまさに、KFSや「切り口」をあぶり出すためのツールなのだ。
これらのフレームワークでの分析を通じ、「キーワード」を見つけるイメージを持つと、それがKFSであることが多い。

最後に、「競合より高くても売れるには何が備わっていればよいのか?」を考え抜いて、思いついた名案や結論をKFSに据えると受注率が高くなるという事実も共有しておきたい。

私が開発した「営業サプリ」で一緒に学びませんか?

講師:大塚寿

ここで述べているノウハウやスキルは、読んだだけでも充分勉強になります。しかし、これだけでできるようになるわけではありません。実際の営業場面で「できる」ようになるためには『実践とフィードバック』が必要になります。
私が株式会社サプリと開発した『営業サプリ』は、自分自身の営業を前提に実践しながらオンラインで学ぶコースです。しかも専門コーチがマンツーマンで指導する仕組みになっています。
売れる営業パーソンになるスキル大全を身につけるオンライン研修、『営業サプリ』で「わかった」→「できた」→「売れた」になりませんか。さあ、一緒に学びましょう!

この記事の情報は公開時点のものです。

提案企画立案・見積作成の記事

営業の提案力を高めるにはまず模倣から…気をつけたい3つのポイント

営業の提案力を高めるにはまず模倣から…気をつけたい3つのポイント

勝ちパターンは過去の企画書から学べ!説得力を高める企画書の構成・書き方とは

勝ちパターンは過去の企画書から学べ!説得力を高める企画書の構成・書き方とは

伝わる企画の立て方、考え方、進め方…まずは全体の構成・骨子から考えよう

伝わる企画の立て方、考え方、進め方…まずは全体の構成・骨子から考えよう

4ステップ+1事例…マーケティングプロセスを俯瞰すると提案営業がうまくいく

4ステップ+1事例…マーケティングプロセスを俯瞰すると提案営業がうまくいく

クライアントに刺さる!提案企画書・見積書の考え方と作り方

クライアントに刺さる!提案企画書・見積書の考え方と作り方

企画書・提案書作成の基本!「売れる営業」がやっている情報収集のコツとは

企画書・提案書作成の基本!「売れる営業」がやっている情報収集のコツとは

企画書作成のためのブレスト方法と、アイデアの拡散と収束のコツ

企画書作成のためのブレスト方法と、アイデアの拡散と収束のコツ

受注できる提案書を最速で作る!「組み立てる」アプローチ方法とは?

受注できる提案書を最速で作る!「組み立てる」アプローチ方法とは?

勝つ企画・提案のための複眼思考術…「鳥の目」「虫の目」「魚の目」

勝つ企画・提案のための複眼思考術…「鳥の目」「虫の目」「魚の目」

売れる営業に必要な「思考のフレームワーク」はマーケティングと営業戦略

売れる営業に必要な「思考のフレームワーク」はマーケティングと営業戦略

企画書作りで参考にしたい!専門家の「お墨付き」を加える一流の技

企画書作りで参考にしたい!専門家の「お墨付き」を加える一流の技

営業提案が顧客に刺さる!誰でもできる企画書、提案書の作成方法

営業提案が顧客に刺さる!誰でもできる企画書、提案書の作成方法

営業の教科書 カテゴリ一覧

この連載の著者

エマメイ先生(大塚 寿)

1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、「オーラの営業」(Nanaブックス)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など。

大塚寿

私が開発した「営業サプリ」で
一緒に学びませんか?

この記事のスキルを身につけるには実践とフィードバックが必要。
この講座はそれを実現するオンライン研修です。一緒に学びましょう!

この記事をお読みの方におすすめ!

売れる営業養成講座アイコン

売れる営業養成講座
基礎Ⅰ・基礎Ⅱコース

デモ閲覧・資料請求はこちらから

教材・フィードバック画面を見られる

営業教育のコツやサービス概要をご紹介