企画のための情報検索・人間検索

受注につながる営業の企画・提案書作成のための情報収集のコツ

企画書や提案書を作成する際に私達が最も多頻度で行う行動のトップは、ネットや社内データベースでの情報検索である。
しかしながら、ネットによる情報収集は誰でも簡単にできるようになったため、逆にそれだけでは企画、提案内容の差別化を図るのが難しくなってしまった。
では、選ばれる企画書、提案書を作成している人はどんな情報収集をしているのか?
今回はそのやり方とコツを共有していく。

受注につながる営業の企画・提案書作成のための情報収集術とは?

企画書作成のために、情報検索に加えて必要なこと

昨今は、デスクのPCでも、出先のスマホでも、キーワードさえ打ち込めば誰にでも簡単に検索ができるようになっただけでなく、検索エンジンも進化し、どんどんユーザーフレンドリーになっている。
こうした情報ツールの発達は、確かに私達の営業を便利にしてくれた反面、企画、提案を選ぶ側にとっては類似した内容が多くなり、結局、価格勝負になることが多くなってしまった。
そのような環境の中で価格勝負を回避し、通る企画、選ばれる提案の材料となる情報を収集するためには、情報検索に加え何が必要になるのだろうか?

その問いにそのまま回答すれば、「人間検索」と「現場調査(現調)」の2つを加えたい。
「人間検索」というのは、ネットではなく「人」を通した情報収集を意味しており、「社内のどの部署に何に詳しい人がいるのか」をできるだけ多く知ることがアドバンテージになる。

例えば、あなたが従業員数1万人のIT企業で2年目営業パーソンだったとする。担当するアカウントから新規案件として人事システムの話があったが、その時、社内で一番人事制度について詳しい人と、人事システムに詳しい人を知っているか、いないかがその後の明暗を分ける。
その道に一番詳しい人の指導を受けて書いた企画書と、2年目の営業パーソンが営業部の先輩や上司に聞きながら書いた企画書のどちらが通る確率が高いかは語る必要もないだろう。
勝つ企画にはその分野のことを“深く理解している”人の知見が不可欠になるのだ。
ちなみに情報検索でヒットした記事の内容をあなたはどれだけ深く理解しているだろうか?
アカウントから要望を聞く度、社内で一番詳しい人の教えを乞うことを繰り返していれば、“チリも積もれば山になる”で、短期間に様々な分野の優れた知見が蓄積していくのだから、理解力を高めるためにもやらない手はない。

更には、「その分野に詳しい人」が誰か分からない時に、誰に聞けばその人物にたどり着くかという「人間検索」のキーパーソンを身近に複数探しておくことも重要だ。
それが直属の上司ではなく、役職定年になって、子会社に転籍になったMさんかもしれないし、新人研修のトレーナーをしていた人事部のKマネージャーかもしれないが、とにかく社内の事情通というか、顔の広い人を押さえておくのがコツだ。

企画の勝者たちの「基本3行動」(ここだけの話)

通る企画書・提案書の作成に必要な情報収集のやり方

企画書に反映させたい「現場でつかんだこと」

次に「現場調査」だが、様々な業界で企画に携わってきた人が耳にしたことのある「現場百回」「すべての答えは現場にある」という格言が示すよう、机上での検索でデータやヒントを集めるだけでなく、必ず「現場」に足を運び、自分の五感で何かを感じ取って、企画に反映させたい。
例えば、訪日外国人旅行者数が急増しているが、2000年には500万人に満たなかったその数は2018年では3000万人を超える勢いだ。
こうした旅行者は様々なビジネスに影響を及ぼしているが、このような情報はもちろんネット検索でもあらゆる情報収集ができる。
だが、やはりその現場の空気を吸いながら、その目で現実を見なくては「切れば血の出るような」ライブ感あふれる企画にはならない。
訪日外国人旅行者数の増加の結果、銀座の商業地のテナントがどう変化したか、旅行者数の変化を日々見続けた浅草・雷門の横の“雷おこし”の売店スタッフはどう感じているのか、などは実際に現場を訪れ、見聞きすべきだ。
なぜなら、ネット情報だけだと、それらを鵜呑みにしやすくなって自分の頭で考えなくなるからだ。
ネット検索のスキルを駆使し、様々な情報を切り貼りして見てくれのいい企画書を作っても、顧客に持参する前段階で「上司からの質問に答えられない」のでは、顧客に提出する前の段階でアウトになってしまう。
それが現在の営業現場での現実だ。

“売れる営業の”情報収集というのは、自分の頭で考えるための材料集めに過ぎない。そのためには、ネット、図書館、書籍、論文などの情報検索だけでなく、人間検索、現場調査が加わって、成立するものだということを忘れてはならない。

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この連載の著者

エマメイ先生(大塚 寿)

大塚寿 顔写真

1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に 『〈営業サプリ式〉大塚寿の「売れる営業力」養成講座(日本実業出版社)』『自分で考えて動く部下が育つすごい質問30(青春出版社)』、『50歳からは、「これ」しかやらない(青春出版社)』など。

大塚寿

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