マーケティング体系を企画に活かす
3C分析、SWOT分析、PEST分析、STP分析、4Pといった個別のマーケティング原理のフレームワークの営業への活かし方はこの連載でも解説してきた。
しかし、実際、提案には個別のフレームワーク以前のもっと全体を俯瞰したマーケティングプロセスを知っておいたほうが実践的なので、今回はそのコツを解説する。
ザックリとマーケティングのプロセスを俯瞰するとマーケティング調査→マーケティング分析→マーケティング計画(戦略)→マーケティングサイクル(PDCAのDCAの部分)という4ステップになる。
そこにケース(事例)を加えて5項目にして、提案の流れや焦点を考えると魅力的かつ論理的な提案が迅速に作れるようになる。
さて、営業パーソンや営業管理職にとって重要なのはここからだ。実はマーケティングという概念は「Made in USA」なので、そのままでは日本の営業パーソンには使いづらい。
会社のマーケティング研修や営業に活かせると思ってマーケティングの本を買って読んだ時、「実際の自分の営業のどこに活かせばいいのか?」と疑問に思ったことはないだろうか。つまり、マーケティングを実際の営業に活かすには、マーケティング用語を使いやすいように「翻訳」したり、競合に勝つために自分なりの一手間加えるなど、ちょっとした工夫が必要になるのだ。
例えば、マーケティング調査について、教科書では自社がなんらかの調査を行って得た1次情報がプライマリーデータ、国や民間の調査データなど2次情報がセカンダリーデータ的な解説から始まるが、提案で差がつくのは現地調査(現調)だったりする。
営業パーソンが欲しいのは、マーケティング用語の解説ではなく、「競合に勝つための現地調査の12の手順」といった方法なのだ。
「現場100回」「答えはすべて現場にある」という“極端な”表現が令和の時代となっても色あせない。それは納得できる実感があるからだろう。
これは一例なので、あなたは、競合に勝つためにはマーケティング調査で「どんなひと工夫」をすればいいのかを自分で考え、売れている先輩や上司にも聞いて欲しい。
それを「勝つための自分のルーティーン」にしていくのだ。
同様にマーケティング分析の3C分析であれば、教科書にまずはCompany(自社) Customer(顧客・市場) Competitor(競合)の3視点で分析する手法が説明されているが、そもそも営業パーソンは感覚的、直感的に物事を考える傾向が強いので、自社、顧客、競合と翻訳して考えてしまうと、提案に使えそうなネタは浮かんでこなくなってしまう。
なので、そうした事情を知っている賢い企業は3C分析を「どんな商材を、どんな顧客に、どこと競争して」と翻訳し、シンプルにイマジネーションさせる教育を行っている。
その結果、営業パーソンの提案力の平均値が競合他社を圧倒している。しかも競合他社より金額が高くても売れている。
マーケティング計画については、マーケティング戦略と読み換えても構わないが、ここがマーケティングミックスの4Pで、提案の根幹となる部分だ。
つまりはどのような製品戦略(Product)、どのような価格戦略(Price)、どのようなチャネル戦略(Place)、どのようなプロモーション戦略(Promotion)をデザインすれば、魅力的な提案になるかというフレームワークだ。
マーケティングサイクルについては、PDCAの「DCA」の部分と表現した方が分かりやすいいかもしれない。
要はマーケティング計画を実行に移し、検証し、問題や課題があれば改善し、再実行を繰り返すことだ。
ここではP(計画)の難易度が高過ぎてD(実行)で支障をきたすことが多いので、その解決策を企画に盛り込むのも手だし、C(検証)A(改善・再実行)で修正していく方策も明確な差別化のポイントになるので、提案における切り口の候補にして欲しい。
最後のケース(事例)は先進事例、類似事例、実績としての事例になるが、相手が「ピン!」ときてイメージが湧きやすいという基準で選びたい。
大きい事例を1つ入れるより、所々で大小様々な事例が散りばめてあったほうが魅力的に見えるので、特に小さい事例は同僚の提案などにも関心を持って蓄積していきたい。
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ここで述べているノウハウやスキルは、読んだだけでも充分勉強になります。しかし、これだけでできるようになるわけではありません。実際の営業場面で「できる」ようになるためには『実践とフィードバック』が必要になります。
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