事前準備で行う顧客分析の3ステップ

提案営業を優位に進めるための「顧客特性」の掴み方とは?

提案内容や価格自体にほとんど差がない場合に、圧倒的に有利になるのは顧客の特性をつかみ、分析した上でプレゼンを実施している営業パーソンだ。
今回はその「顧客の特性をつかむ」極意について共有していきたい。

提案営業を優位に進めるための「顧客特性」の掴み方とは?

「顧客の特性をつかむ」ための基本行動は次の3つだ。

1)企業としての特性と企業風土、組織風土を把握する
2)社史沿革を味わう
3)参加者のプロフィールを理解する

「顧客の特性をつかむ」という表現に対し、ほとんどの営業パーソンは感覚的には特性をつかんだ上で、営業活動をしているが、その感覚には悲しいほどの個人差があるので、その差を埋めるための明確な基準を示したい。

1)企業としての特性と企業風土、組織風土を把握し、効果的にアプローチする

まずは、その顧客の「企業としての特性と企業風土、組織風土の把握」だが、ここではその企業の強み、弱み、活動領域からスタートし、企業として大切にしていること、大切にしている考え方についても知っておきたい。

企業の中にはコスト合理性をとことん追求し、社内業務をどんどんアウトソーシングしてしまう企業もあれば、あくまで社内でやることにこだわり、内製する企業もある。大切にしているものや大切にしていることが異なるからその差が生まれるので、そこは是非とも押さえたいポイントとなる。前者の方が営業機会が格段に多くなるからだ。

また、組織風土としてトップダウンなのか、ボトムアップなのか、逆にトップダウンを嫌う風土なのかといった傾向も知っておきたい。
トップダウンであれば、キーパーソンの把握やそのキーパーソンに自社のどの役員をつなぐかといった組織営業が展開できるが、トップダウンを嫌う企業に対し、自社の役員の顧客役員への表敬訪問などは逆効果になってしまう。

顧客の特性をつかむアプローチの図

2)社史沿革を味わい、競合優位になる

次に「社史沿革」だが、これはホームページや会社案内などで確認しておくレベルではなく、もっと深く理解することで競合に対し明確な差をつけることができる。その際、人となりと同様、企業の成り立ち、その背景を押さえていくというスタンスが望ましい。

例えば、栄枯盛衰のターニングポイント、飛躍のきっかけ、低迷や危機をどう乗り越えたかということを、社史沿革に書かれた文字や数字ではなく、そこで働いていた人に思いをはせてイメージするのだ。
できれば頭の中に想像で構わないので、ドラマや映画みたいな映像をつくってストーリー化してみるといい。こうした準備はプレゼン前の訪問時、雑談の場面を使って済ませておくのがミソだ。

3)参加者のプロフィールを理解し、受注確率を上げる

最後は「参加者のプロフィール」になるが、プレゼンへの参加者の部署や役職、事務方なのか、技術者なのか、ざっくりした年齢も押さえておきたい。そして誰がキーパーソンで、その大切にしていること、大切にしている考え方まで把握できるとかなり有利になる。
こうした情報は前任者や社内の諸先輩から聞くのは必須だが、やはり日々の顧客との雑談の中でも押さえていくことをおすすめしたい。

受注、失注を分けるものはプレゼン内容や価格、納期であることはもちろんだが、実は、提案内容や価格自体には甲乙つけがたく、結局、自社の事情に詳しかったり、痒い所に手が届いている風に思える提案をしたりした企業が受注しているケースがあまりに多い。
相手のある部門の特殊な業務フローへの言及があったり、提案書の冒頭の「所見」や「前提整理」の部分で、相手のキーパーソンの口癖や多頻度で口にしていたキーワードを散りばめたりするだけで、確実に受注率は高まる。

これは営業する側にはほとんど知られていない現実かもしれないが、裏を返せば顧客の特性について更に深く、広く把握できれば、当落線上で失注となった案件のかなりの部分が受注に変わるはずなので、顧客の特性をつかむ具体的な動きをこの機会にバージョンアップして欲しい。

プレゼンテーションのノウハウをまとめた資料をダウンロード

eBook表紙

この記事の内容を含めた、プレゼンテーションのノウハウをeBookにまとめて無料配布しています。簡単なフォームに入力するだけでダウンロードしていただけます。ぜひご覧ください。

私が開発した「営業サプリ」で営業メンバーを育てませんか?

講師:大塚寿

ここで述べているノウハウやスキルは、読んだだけでも充分勉強になります。しかし、これだけでできるようになるわけではありません。実際の営業場面で「できる」ようになるためには『実践とフィードバック』が必要になります。
私が株式会社サプリと開発した『営業サプリ 売れる営業養成講座』は、営業パーソン自身の営業を前提に実践しながらオンラインで学ぶコースです。しかも専門コーチがマンツーマンで指導する仕組みになっています。
売れる営業パーソンになるスキル大全を身につけるオンライン研修、『営業サプリ』で「売れる」営業パーソンを育てませんか。さあ、営業サプリで営業組織を強くしましょう!

\3分でわかる/
営業サプリ紹介資料 ダウンロード

こちらのフォームにご入力ください(入力時間1分)。*は必須項目です。

1. 事業者の氏名又は名称
株式会社サプリ
2. 個人情報保護管理者の氏名又は職名、所属及び連絡先
個人情報保護管理者 代表取締役 酒井雅弘
info[at]sapuri.co.jp
[at]を@マークに変換してお問い合わせください。
3. 取得した個人情報の利用目的
当該フォームで取得した個人情報は、お問い合わせに関する回答、ご請求いただいた資料の送付、メールマガジンの配信等の目的で利用いたします。また、当社のサービスに関するご案内にも利用させていただくことがございます。
4. 当社が取得した個人情報の第三者への委託、提供について
当社は、ご本人に関する情報をご本人の同意なしに第三者に委託または提供することはありません。
5. 個人情報保護のための安全管理
当社は、ご本人の個人情報を保護するための規程類を定め、従業者全員に周知・徹底と啓発・教育を図るとともに、その遵守状況の監査を定期的に実施いたします。
また、ご本人の個人情報を保護するために必要な安全管理措置の維持・向上に努めてまいります。
6. 個人情報の開示・訂正・利用停止等の手続
ご本人が、当社が保有するご自身の個人情報の、利用目的の通知、開示(第三者提供記録の開示も含みます)、内容の訂正、追加又は削除、利用の停止、消去及び第三者への提供の停止を求める場合には、下記に連絡を頂くことで、対応致します。
<個人情報お問合せ窓口>
株式会社サプリ 個人情報お問合せ窓口
info[at]sapuri.co.jp
[at]を@マークに変換してお問い合わせください。
7. ご提供いただく情報の任意性
個人情報のご提供は任意ですが、同意を頂けない場合には、第3項にあります利用目的が達成できない事をご了承いただくこととなります。
8. 当社Webサイトの運営について
当社サイトでは、ご本人が当社Webサイトを再度訪問されたときなどに、より便利に閲覧して頂けるようCookieという技術を使用することがあります。これは、ご本人のコンピュータが当社Webサイトのどのページに訪れたかを記録しますが、ご本人が当社Webサイトにおいてご自身の個人情報を入力されない限りご本人ご自身を特定、識別することはできません。
Cookieの使用を希望されない場合は、ご本人のブラウザの設定を変更することにより、Cookieの使用を拒否することができます。その場合、一部または全部のサービスがご利用できなくなることがあります。

この記事の情報は公開時点のものです。

プレゼンテーションの記事

勝てる営業プレゼンのコツとは?成否の9割が前半で決まるワケ

勝てる営業プレゼンのコツとは?成否の9割が前半で決まるワケ

自社商品紹介の営業プレゼンでの「説得力を高める話し方」とは?

自社商品紹介の営業プレゼンでの「説得力を高める話し方」とは?

「AIDAの法則」の3原則を営業で活用!必勝プレゼン方法

「AIDAの法則」の3原則を営業で活用!必勝プレゼン方法

営業のプレゼンで勝つためには?攻め方を見極める顧客の6つの分類法

営業のプレゼンで勝つためには?攻め方を見極める顧客の6つの分類法

営業プレゼン上達のコツとは?秘訣は「つかみ」と「オチ」にあり

営業プレゼン上達のコツとは?秘訣は「つかみ」と「オチ」にあり

営業プレゼンの説得力を高める原則とは?数字・比較・グラフの活用術

営業プレゼンの説得力を高める原則とは?数字・比較・グラフの活用術

営業プレゼンの基本セオリー「ポイントは3つ」の実例と効果とは?

営業プレゼンの基本セオリー「ポイントは3つ」の実例と効果とは?

営業プレゼンで人を惹き付ける話し方とは?「説明」「描写」の黄金比

営業プレゼンで人を惹き付ける話し方とは?「説明」「描写」の黄金比

営業プレゼンで説得力を高める話し方とは?聞き手に刺さる3原則

営業プレゼンで説得力を高める話し方とは?聞き手に刺さる3原則

【営業プレゼン徹底解説】評価されるプレゼンとは?営業で活かしたい構成・資料・話し方のコツ

【営業プレゼン徹底解説】評価されるプレゼンとは?営業で活かしたい構成・資料・話し方のコツ

印象に残る営業プレゼンのコツとは?秘訣はストーリーテリングにあり

印象に残る営業プレゼンのコツとは?秘訣はストーリーテリングにあり

営業の教科書 カテゴリ一覧

この連載の著者

エマメイ先生(大塚 寿)

大塚寿 顔写真

1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に 『〈営業サプリ式〉大塚寿の「売れる営業力」養成講座(日本実業出版社)』『自分で考えて動く部下が育つすごい質問30(青春出版社)』、『50歳からは、「これ」しかやらない(青春出版社)』など。

大塚寿

私が開発した「営業サプリ」で営業メンバーを育てませんか?

この記事のスキルを身につけるには実践とフィードバックが必要。営業サプリ べーシックコースはそれを実現するオンライン研修です。営業サプリで営業組織を強くしましょう!

eBookイメージ

プレゼンのノウハウをまとめた
eBook(PDF)をダウンロード

資料イメージ

オンライン営業研修「営業サプリ」
資料をダウンロード

eBook(PDF)を
ダウンロード

営業サプリ
資料をダウンロード