プレゼンにAIDAの法則を活かす
提案のプレゼン場面、製品やソリューションの説明場面では「売れる営業」になるためのセオリーが大小交えて十数個存在する。そのすべてをこの連載で紐解いていくが、今回はその中核となる「AIDAの法則」を紹介する。
「AIDAの法則」とはAttention(注意喚起)の頭文字「A」、Interest(興味・関心の喚起)の「I」、Desire(欲求の喚起)の「D」、Action(行動喚起)の「A」をつなげた呼び名で、1920年代にアメリカの広告業界、営業の世界に登場した概念である。
あまりに効果があったために登場以来世界中に広がり、日本においても営業やプレゼンのシナリオ、売り場の設計、広告企画、販促企画などで広く使われるようになった。
日本においては「AIDMAの法則」の知名度が高い気がするが、アメリカのビジネススクールが教える代表的な購買決定モデルには
などがある。 その中でも営業の実務においては圧倒的にAIDAモデルが使いやすいので、共有しておきたい。
例えば、現在のドラッグストアの売り場づくり。あるドラッグのチェーンではこのセオリーに則り実に年間52回、店頭や売り場の目玉商品や催事品、販促物やレイアウトの何かを変えるという。
同一商圏内で競争の激しいドラッグストアでは、店頭を通る顧客に「なんか、前の日と違う」「なんか、いつもと違う」という注意喚起を促さないと、そもそも必要なものを買いに来る目的買いの顧客しか入店しなくなってしまうのだそうだ。
そこで手を変え品を変え、花粉症の季節、乾燥の季節、UVケアの時期といったシーズンごとに「打ち出し」や「切り口」を変えながら、目的買いでない浮遊客やお試し客の入店誘導から購買までのシナリオに「AIDAの法則」を活かしている。
イメージしやすいよう女性にとっての夏の定番「除毛クリーム」の実例を紹介しよう。
店頭の特売品や「夏本番、ムダ毛のケアは万全ですか?」といった目につきやすい大型のテーマPOPで、「何かやっている」感を演出、まずは注意喚起をして目的買い以外の顧客の入店を促す。
目につきやすい商品棚の端(エンド)に目玉商品である「除毛クリーム」の大量陳列を行い、そこに販促物を加え、DVDのプロモーションビデオでお手入れの仕方などを流すなどして顧客の興味・関心の喚起を図る。
大量陳列している場所に、ファッション誌などから切り抜いた背中が広く開いた服のグラビアや夏休みの海やプールのビジュアルをさりげなく添えておくと、顧客自身の夏休みを想起させ、「私も除毛クリームを買っておかなきゃ」という潜在ニーズを顕在化させる。
AIDAのゴールである購買行動。ただし、目的買い以外の顧客は上記1)~3)のプロセスを経ないと購買には至らない。
さて、すべての読者にイメージがつくようにドラッグストアで除毛クリームを売るという前提で「AIDAの法則」を解説したが、同じ流れであなたのプレゼンの場面、製品紹介の場面でこのセオリーを活かして欲しいのだ。
活かし方はこうだ。
まず、プレゼンでも製品紹介の場面でも「どうしたら相手の注意喚起が図れるか」をよくよく考えてから、スタートすること。
それはちょっと声を大きめにした冒頭の挨拶かもしれないし、相手が魅力的に感じる自社紹介かもしれない。あるいはプレゼン資料の表紙のデザインかもしれないし、サブタイトルかもしれないが、とにかく相手の「目に留まる」か「心に留まる」かのいずれかの仕掛けや工夫という発想をして、行動に移すことだ。
次に喚起できた相手の注意を「興味・関心」に高める「次の一手」を準備し、展開する。
具体的にはその製品やサービスによって顧客が享受する恩恵(ベネフィット)を端的に語ることかもしれないし、同業界の導入事例の話かもしれない。
そしてクライマックスはその興味・関心を「欲しい」「導入したい」という欲求に高めるための「次の一手」だ。
その定番は導入によってもたらされる効果や費用対効果、問題解決のリアルな事例が話題の中心になるが、場合によっては導入のためにネックになることを1つひとつ潰していくことかもしれない。
この「導入したい」というエネルギーがある臨界点を超えれば自動的に顧客は購買行動(Action)移るので、プレゼンにおいても「AIDAの法則」の「注意喚起(A)」「興味・関心の喚起(I)」「欲求の喚起(D)」の3ステップを刻むことを意識して欲しい。
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ここで述べているノウハウやスキルは、読んだだけでも充分勉強になります。しかし、これだけでできるようになるわけではありません。実際の営業場面で「できる」ようになるためには『実践とフィードバック』が必要になります。
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