10分でもできる!顧客分析
既存アカウントへの営業でも新規開拓の営業でも、何か新しい商材を担いでアプローチを仕掛ける場面では、その準備がもっとも重要になります。案件化できるか、受注できるかといった結果の半分は「準備」によって決まるといっても決して言い過ぎではありません。
まずは顧客について知らなければ営業シナリオがつくれないので、多くは「顧客分析」からスタートすることになりますが、営業パーソンにとっての悩みは「顧客の何をどのように分析すればいいか」が分からないという点です。本記事では、準備の基本「顧客分析」の簡単かつ効果絶大な方法「6O分析」をご紹介します。
営業パーソンは、同時並行でいろいろな商談を抱えているので、顧客分析にじっくり時間をかけてなどいう物理的、精神的余裕もないケースがほとんどでしょう。もっと言うと「めんどう臭い」「苦手」という本音もあるかもしれません。
そこで役立つのが10分で終わる顧客分析・コトラーの「6O」というフレームワークです。
コトラーの6O分析は、顧客を深く理解し、効果的なマーケティング戦略を立てるためのフレームワークです。以下の6つの要素で顧客を分析します。この分析により、顧客ニーズに基づいた最適なアプローチを見つけやすくなります。
1)Occupants:誰が市場を構成しているか
2)Objects:何を買うか
3)Occasions:いつ買うか
4)Organizations:誰が購買にかかわっているか
5)Objectives:なぜ買うか
6)Operations:どのようにして買うか
7)Outlets:どのチャネル(商流)で買うか
当初は7)がなかったので、6Oという呼称になっていますが、ポイントカードや通販の勢力拡大に伴い、7)が追加されたようです。
これをフレームワークとして落とし込んでいくと、以下のように整理をすることができます。
それぞれの項目について見ていきましょう。
これはあなたの商材のコアターゲット、メインターゲットをあぶり出すために用いる視点です。
マーケティングで用いられるロジャーズモデルによれば、世の中の企業や個人の2.5%はあなたの商材を「こういうのが欲しかった」というばかりに買ってくれるとされます。更にそれに準ずる13.5%は商材の魅力が理解できれば買ってくれる顧客なので、まずはそれがどういう属性、特性をもった企業、個人なのかを特定していきます。
受注確率のもっとも高い顧客からアプローチするのは絶対に外せない営業のセオリーなので、まずはここからスタートしましょう。
アカウント営業の場合は、どこの部署の誰に持っていけば、「こういうのが欲しかった」と思ってくれるかから始めるとベターです。
この言葉の背景にあるのは、「意思決定の基準」です。つまりは何を基準にして、何を選ぶかということに着目しましょう。
もちろん、この基準は1つではなくて、例えば、機能特性、性能、品質、導入事例、納期、価格、付き合いの長さといったことで、これらのウエイトがどうかまで推測しておきくことがポイントです。ここは準備段階なので、もちろん推測、推定でも構いません。
文字通り、購買のタイミングのことで、リプレース時、新設時、期末、定期購買といった視点となります。営業というのはタイミングが重要で、たとえどんなに気に入ってもらっても、購入したばかりでは、買ってもらうことはできません。顧客の購買スケジュールも押さえておきたい必須項目に入ります。
企業で言えば、担当部門、ユーザー部門、購買部門などだが、案件希望が大きくなればなるほど、かかわってくる人は多くなります。キーパーソン、自社びいき、他社びいきといったところまで押さえておきましょう。
ここもポイントになるところで、「なんらかの課題を解決したい」「環境基準に適応するため」「運用コストを減らしたい」といった、顧客が買う理由について深いところまで視野を広げておきましょう。
例えば、10社に声をかけ、5社に絞って入札やコンペをし、サンプルを作ってもらい、それを評価して相見積もりの上、決定するなどの購買方法。これはだいたい業界ごと、企業ごとに決まっているので、上司や先輩に聞いてしまうのも1つの手です。
業界によってはメーカーが製品の宣伝活動を行い、実際の発注は工事店や販売店といったケースもあるので、どういう商流で案件が決まるのかは大まかでも把握しておくことがおすすめです。
顧客分析によって、最終的には顧客の「課題」に当たりをつけたいところではありますが、まずは以上の7項目でざっくり顧客を分析して全体の輪郭をつかむことによって、営業のリアルなイメージが持ちやすくなるので、試してみてください。
これはフレームワークなので、自動的に箱に情報を入れ込むイメージで、あまり時間をかけず、60%くらいの完成度で構わないというスタンスで臨みましょう。
※1.コトラー……フィリップコトラー。アメリカの経営学者。マーケティングの世界的権威として知られる。著書に「コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則(朝日新聞出版)」「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版(丸善出版)」など多数。
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ここで述べているノウハウやスキルは、読んだだけでも充分勉強になります。しかし、これだけでできるようになるわけではありません。実際の営業場面で「できる」ようになるためには『実践とフィードバック』が必要になります。
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