顧客の業界の動向を押さえる
顧客目線で言えば、業界のことも勉強せずに営業に来るなど失礼な話だ。逆に営業する側にとっては、業界を分析する過程で企業に共通する様々な課題が浮き彫りになるのだから、売れる営業パーソン共通のルーチンになる。
今回は、効率的に業界分析を進めるためのステップと、その中に潜む”秘密”を紹介したい。
そもそも「業界」とは何なのか? 金融業界、製造業、IT業界に加え官公庁、自治体、文教等様々と言いたところだが、まずはザックリでも業界がいくつあるのかを知らないと営業実務が進まない。
業界の定番はいわゆる証券取引所で用いられている証券コード協議会が分類した「33業種」だ。
しかし、これだと「保険業」という分類に「生保」「損保」双方が入れられ、「情報・通信業」に「IT業界」「システム開発」「通信キャリア」などが一括りにされてしまうので、営業的には使いにくい。
そこで登場するのが、「就活」で用いられる媒体による業界区分だ。これらは60弱に分類されるので、業界分析や業界研究には「もってこい」の区分として重宝されている。
さて、その上で業界分析、業界研究を始める訳だが、その手順は次の3ステップで進めたい。
この業界はどんな顧客に、どんな商品やサービスを提供し、どんな業務フローで仕事をしているのかといった概略を把握する。
よく使われてきたのは就活用「30分でつかむ~」「2時間で分かる~」といった業界本だったが、今では「生保業界」と入力すれば簡単にネット検索できる時代になった。
誰でも検索で簡単に情報が入手できる昨今では、逆にどれだけ突っ込んだことまで分析しているかが試されるようになった。業界としての景況感はもちろんのこと、業界を取り巻く環境変化が及ぼす影響まで思考していないと営業的にはアドバンテージを得られない。
そこでお薦めなのが、PEST分析による業界分析だ。
キーワードは「環境変化」。環境変化によって、その業界がどう変わるかを予想しておくのだ。この準備が一流の営業に近づくための準備と思って割り切って進めてもらいたい。
念のためPEST分析というのは、Politics(政治)Economy(経済)Society(社会)Technology(技術)の頭文字を取った名称で、便利なフレームワークの定番として世界中で使われている。
初めて会う相手なら実際にヒアリングしてみなければ、何が課題か、何に困っているかは分からない。
しかし、本当のことを言ってしまうと、相手は営業パーソンを値踏みしているので、そのお眼鏡にかなわない限りは事実を話してはくれない。
だから、事前に類似性の高いであろう業界としての課題を知った上で、相手が話やすい前振りや小ネタを準備しなくてはならない。
例えば、この流通業界の例で言えば、
「ネット通販対策や高齢者対応でスーパーの宅配サービスが広がっていますが、やはり御社も今後、自宅までのデリバリーを強化する方向なのでしょうか?」
といった軽い質問を投げかけて、徐々に課題に踏み込んで行きたい。
そのためには「ネット通販」「高齢者対応」「宅配サービス」「デリバリー」という相手の業界ならではの共通言語が盛り込まれているかどうかが、成否を分けるということも共有しておきたい。
こうした業界ならではのホットなキーワードが散りばめられていると、相手は「この営業パーソンは業界の事情を理解した上で何か提案しようとしている」と判断するので、門前払いになることは少ない。
相手も正解が分からずに困っているのだから、一度会うことができて、有益なヒントや競合他社の動向などの情報が提供できれば、相手にとっては「使える人間」に映るので、何らかの宿題や提案の依頼につながるはずだ。
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ここで述べているノウハウやスキルは、読んだだけでも充分勉強になります。しかし、これだけでできるようになるわけではありません。実際の営業場面で「できる」ようになるためには『実践とフィードバック』が必要になります。
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