訪問顧客にあった事例を準備する
場合によっては商材を解説する営業ツールやカタログそのものより、導入事例の方が案件化や受注に役立つ場合が少なくない。
なので「導入事例」のツール作成と、それらを魅力的に語る練習が売れる営業には欠かすことのできない準備になる。
導入事例の効用は、その商材が「どんなベネフィット(恩恵)をもたらしてくれるのか」というイメージが湧きやすくなる点と、相手の興味・関心に着火しやすくなるという点だ。
商材について延々と説明を受けるより、具体的な企業のある部門がどんな課題を抱えていて、それがその商材によってどのように解決され、その結果どうなったかというストーリーの方が分かりやすい上に、興味・関心も喚起されるというのは想像に難くないだろう。
すでに営業ツールの中に盛り込まれていたり、別冊子やネット上で導入事例が紹介されていたりするかもしれないが、あなたはそれをなぞるだけでなく、次の5つの切り口で語って欲しい。
存在感のある企業か否かが非常に重要なポイントとなる。コンプライアンス上実名が出せない場合は、事実であれば仮称という選択しもあるし、社名こそ明示はしないものの業種、売上、従業員数といったプロフィールを示したり、「〇〇で業界トップのA社様で…」 と口頭で告げたりするのが賢いやり方になる。
導入前にどんな問題や課題があったかを相手が「そう、そう、うちも」と共感するくらいリアルに語れるように準備しておきたい。
多くは2)で登場した問題や課題の「解決」や「解消」になるが、問題解決系の商材ではない場合もあるので、導入の目的も「確かにそれはある」と相手が納得する明確な文言を使って表現したい。
ここがクライマックスで、その商材を導入したことによって、どのような成果があったのかを具体的に語りたい。
年間コストが15%削減されたとか、問題が解決されたことによって売上が5%向上したといった定量的な効果が提示できるとインパクトが倍増する。
もちろん、定量的な効果が示せない場合もあるので、その場合はできるだけリアル感が与えられるような工夫をしたい。
その導入のサクセスストーリーをキャッチフレーズ的に「ひと言」で表現できると、相手の興味・関心にスイッチを入れる武器になるので、可能なケースについては準備しておいて欲しい。
例えば、「パッケージソフト導入による年間35億円のコストダウン」「営業の一部アウトソーシングによる12%の案件化率向上」といった感じだ。
事例紹介の後、相手の興味・関心を喚起させるコツとしては導入前の状況と導入後の「差」、つまり「Before After」を語ることなのだが、ここがどれだけリアルに語れるかが大きなポイントになる。現実味が十分に伝わらないと相手は動き出さないからだ。
自分が担当した事例を語るのと他人が担当した事例を語るのとでは、残念ながら相手が感じる熱意、リアリティー、インパクトには埋めることのできない大差が生まれてしまう。
しかし他者の案件でもまるで自分が担当したかのように、見てきたかのように話すことのできる方法がある。
それは、その案件に携わった関係者に直に話を聞いておくことだ。そうすることによって多少でも「感情移入」することができれば、関係者が憑依(ひょうい)して、自分が担当したかのように話せるようになるのだ。少なくても相手にはそう聞こえるようになる。
ここのところが「売れる営業」とそうでない人たちの決定的な違いとなっていることもコソッと伝えておきたい。
その時々によって勝ちパターンにはまる事例というものがあることが多いが、その一方で、普段からできるだけ多くの事例を語れるようにしておきたい。
自分の情報の「引き出し」に多くの事例が入っていると、訪問顧客に合った事例を選択できるようになるので、確実に案件化率が上昇する。
勝ちパターンだけに集中してしまうと、そこにはまらない案件への対応力が著しく低下してしまうので、それを防ぎたいという訳だ。
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